【日経平均】主力株も新興市場も崩れて無力感の238円安

2014年03月20日 20:35

 3連休前は個人投資家の手じまい売りが増えてテーマ銘柄は軟調。マグネシウム電池関連の藤倉ゴム<5121>は75円安で値下がり率10位、セルロースナノファイバー関連の星光PMC<4963>は92円安、防衛関連の石川製作所<6208>は8円安、東京ベイエリア含み資産関連の日本冶金工業<5480>は22円安、カジノ関連のオーイズミ<6428>は57円安。ネット・コンテンツ関連も総崩れでエイチーム<3662>は400円安で値下がり率12位、グリー<3632>は46円安、DeNA<2432>は76円安、ミクシィ<2121>は580円安、クルーズ<2138>は145円安、コロプラ<3668>は128円安、サイバーエージェント<4751>は270円安。来週の権利確定イベントを通過したらまた買い直されるのだろうか。

 前日、西武HD<9024>の4月23日の東証上場が承認され、西武鉄道が有価証券虚偽記載で上場廃止になって以来9年4ヵ月ぶりの事実上の再上場が決まった。市場は第1部になる見込み。筆頭株主のサーベラスなどが最大8085万株の売出しを行うが公募増資はない。影響を受けそうな大手私鉄は、時価総額がほぼ同じの東急<9005>は9円安、東武<9001>は3円安、近鉄<9041>は9円安、阪急阪神HD<9042>は6円安だった。

 仙台市が本社のホットマン<3190>がジャスダックに新規上場。公開価格520円に対して11時13分に871円の初値がつき、999円まで上がったが終値は767円。今週は大型新規IPOで連敗しただけに白星にホッとした証券マンなど関係者は少なくなかっただろう。東北、北関東でイエローハット<9882>、TSUTAYA、ガリバー<7599>、ダイソーなどのフランチャイジー(加盟店)になっている流通企業だが、イエローハットは22円安、ガリバーは30円安だった。

 この日の主役は、値上がり率ランキングに入った地味だがキラリと光る技術を持つメーカー。6位の工業炉トップメーカーの中外炉工業<1964>は、近畿大学が開発したバイオコークス技術を使った「汚染バイオマス減容化装置」で震災被災地の除染廃棄物問題を解決できることが確認できたと発表した。放射性廃棄物の中間貯蔵施設の問題にも対応できるという。5位の自転車のリムなど小径パイプで定評がある新家工業<7305>は、3月期の売上高を3億円、営業利益を9000万円上方修正し、期末一括配当を3円から4円に引き上げた。3位の金型用部品で全国2位のパンチ工業<6165>は、2012年12月の東証2部新規上場時に初値が公開価格を下回り、その後の新規IPOが55連勝を記録したため変なことで有名になってしまったが、業績は好調で14日に東証1部に指定替えになった。昨年12月に連勝をストップさせてしまったウイルG<6089>や、今週黒星だった日立マクセル<6810>、ジャパンディスプレイ<6740>には、励みになる先輩か?(編集担当:寺尾淳)