【日経平均】上昇も14500円近辺が精いっぱいで133円高

2014年03月18日 20:32

 17日のNYダウは181ドル高で6日ぶり反発。アメリカ、EUはクリミアの独立を承認したロシアへの経済制裁発動を決めても「想定の範囲内」。いつまでも悪材料視して下落し続けるわけにもいかず、イタリアやキプロスの債務危機時がそうだったように一応、横に置いておき、鉱工業生産が0.6%増で市場予想を大きく上回るような別の好材料に反応してNYダウ採用30種全て上昇した。かつてナチスにうまく利用された「異常の日常化」とは、こういうこと。18日朝方の為替レートはドル円は101円台後半、ユーロ円は141円台後半で少しだけ円安に振れた。

 シカゴCME先物清算値は14420円で権利配当落ち分80円を足すと14500円。日経平均は213.74円高の14491.41円で始まりTOPIXも大幅反発。14500円を突破し午前9時4分には14533円まで上昇するがすぐ押し戻される。時々14500円にタッチしながらも200日移動平均線の14504円で抵抗を受けて伸びず、14400円台後半の小動き。10時台後半になると14400円台前半に値を切り下げる。中国で不動産開発会社の浙江興潤置業投資(非上場)が576億円の負債を抱えて経営破たんした影響で上海市場はマイナスに転じていた。10時55分に瞬間14000円を割る場面もあったが、その後は14400円台前半をキープして前引は14432円だった。

 後場は水準を切り上げて14400円台後半で始まる。水平飛行が続くが、1時30分すぎから14500円台にたびたび乗せる。それでも前場の高値14533円は抜けられない。大引けの10分ほど前から先物売りが出て値を切り下げ、14日のSQ清算値14429円も割り込み終値は133.60円高の14411.27円どまり。3ケタ高で5日ぶりに反発しても後味は悪かった。日中値幅は134円。「アベノミクス相場で5日続落はない」というアノマリー通りになったが、ロシアのプーチン大統領の日本時間夜8時の演説や同夜のFOMCの結果の様子見もあり、為替の追い風がなく自律反発だけでは14500円近辺が精いっぱいだった。TOPIXは+11.01の1165.94。売買高は17億株、売買代金は1兆6765億円と薄かった。

 値上がり銘柄は1582で東証1部全体の88%を占め、値下がり銘柄は155。全セクターがプラスで、上位はガラス・土石、サービス、情報・通信、医薬品、非鉄金属、建設など。下位は銀行、海運、食料品、輸送用機器、小売、機械などだった。

 日経平均採用225種で値上がりは180銘柄、値下がりは37銘柄。プラス寄与度1位は262円高と続伸したソフトバンク<9984>で+30円、2位はメリルリンチがレーティングを引き上げ200円高の電通<4324>で+7円。マイナス寄与度1位は大引け直前にマイナスに落ちて安値引け90円安のファーストリテイリング<9983>で-3円、2位は「オデッセイ」88万台がリコールと報じられ35円安のホンダ<7267>で-2円だった。

 銀行セクターは業種別最下位。メガバンク3行はみずほ<8411>値動きなし、三菱UFJ<8306>2円安、三井住友FG<8316>14円安とプラス銘柄なし。りそなHD<8308>も5円安。証券大手は野村HD<8604>が2円高、大和証券G<8601>が12円高だった。自動車大手で最も元気だったのが売買代金7位に入った日産<7201>で19円高。ルノーと自動運転車やエンジンを一体開発すると報じられていた。トヨタ<7203>は大引け前にマイナスに落ちて13円安で安値引け。マツダ<7261>は9円高だった。

 電機で逆行安だったのがソニー<6758>で8円安。グループ企業の日立マクセル<6810>が再上場した日立<6501>も1円安で終えた。シャープ<6753>は6円高、NEC<6701>は10円高と反発。東芝<6502>は3円高。三菱電機<6503>は年間17円の配当予想を発表し、シティGが目標株価を引き上げ34円高だった。ダイキン<6367>はエアコンの中国委託生産分を25万台減らし生産の国内回帰を進めると報じられ60円高。その中国でデジカメの欠陥商品騒ぎが起きているニコン<7731>は続落し11円安。コニカミノルタ<4902>は山梨県中央市に樹脂基板フレキシブル有機EL照明の工場を建設すると発表して11円高だった。