LEDパッケージ市場 2020年には数量ベースで2倍、金額ベースで2,4倍へ成長

2014年03月22日 20:06

 世界のLEDパッケージ市場が、2020年には数量ベースで13年比2.0倍の4,790億個、金額ベースで同2.4倍の3兆7,588億円に上る見込みとなることがわかった。照明器具・光源用の白色LEDパッケージが単価は下がるものの数量ベースでは大幅に増加し、全体をけん引していく模様だ。富士キメラ総研がまとめたLED関連の世界市場調査で明らかになった。

 13年のLEDパッケージ市場は、数量ベースでは前年比11.8%増の2,367億個となった。有色LEDパッケージが50.7%を占めており、白色LEDパッケージの構成比は46.7%%だが、14年には有色LEDパッケージを逆転するとみられる。

 金額ベースでは前年比16.8%増の1兆5,729億円となった。白色LEDは単価が高いため金額ベースでは78,4%を占めている。白色LEDパッケージはLCDバックライト用、照明器具・光源用が中心である。LCDバックライト用では、スマートフォンやタブレットの需要増加や新興国向けのTV需要が好調で市場が拡大した。今後は照明器具・光源用の需要増加が期待される。こうした用途は日系メーカー、欧米系メーカーが強い分野であるが、近年中国メーカーも注力している。
 
 有色LEDパッケージは、指示灯・スイッチ用、装飾・イルミネーション用が中心。また、13年は中国における表示器市場が好調であった。フィーチャーフォン用キーライトやTV用など一部の主力アプリケーションにおいて需要低下が懸念される一方で、家電用やOA・FA機器用などの新規需要の獲得が期待される。

 20年のLEDパッケージ市場は、数量ベースで13年比2.0倍の4,790億個、金額ベースで同2.4倍の3兆7,588億円と予測される。照明器具・光源用の白色LEDパッケージが単価は下がるものの数量ベースでは大幅に増加し、全体をけん引していくとみられる。

 LED市場における注目地域としては中国・台湾・韓国が挙げられる。これら三カ国におけるLEDパッケージの13年の生産数量は合計で1,944億個となり、世界の生産数量の8割以上を占めている。中国は、装飾・イルミネーション、指示灯・スイッチ、表示器などに使われる有色LEDパッケージの生産数量が多く、赤/橙/黄色系の可視光LEDパッケージが中心だが、ここ数年で照明用途での白色LEDパッケージの需要が増加している。13年の生産数量は前年比5.8%増の1,163億個となった。

 台湾は、大型LCDバックライトユニット向け、特にTV用の生産が多い。13年の生産数量は前年比21.4%増の460億個となった。今後も拡大が期待され、20年の市場は13年比2.7倍の1,225億個が予測される。

 韓国では、白色LEDパッケージをメインに高輝度、高演色な高付加価値パッケージの生産が行われてきた。近年、参入メーカーは低調なバックライト用に代わって照明器具・光源用の白色LEDパッケージに注力している。13年の生産数量は前年比11.8%増の321億個となった。20年に向けて、中国や台湾と比べると成長率は劣るものの市場拡大が予測される。(編集担当:横井楓)