電力事情を好転させる、最高の省エネLED照明の登場か

2014年02月22日 20:11

LED

オフィスや商業施設、工場などで急速にLED照明の普及が進む中、ロームが業界最高の発光効率190lm/Wを誇る直管形LED照明の開発に成功。

 近頃、商業施設の照明設備にLED化の波が押し寄せている。2011年前後から徐々に各企業のオフィスや工場、商業施設などで導入されはじめていたものの、東日本大震災後の電力不足懸念をきっかけに、省電力と長寿命に優れたLED照明事業の市場が大きく成長している。

 去る2月14日も、千葉県船橋市にオープンしたファミリーマート<8028>の新店舗・船橋金杉店にコンビニエンスストア業界初となる有機EL照明が採用されて話題となったが、この店舗の天井にはもう一つ、東芝ライテック社が開発した独自の照明器具が設置されている。それは、光色を自由に変更することが可能な直管形LED照明だ。省エネ・長寿命であるのはもちろん、色温度を温白色(3500K)~昼白色(5500K)の範囲で自由に変更でき、時間や季節などに応じて、店内のムードを変える演出も可能だという。

 また、2008年からLED照明事業に参入したローム<6963>も2月12日に、LEDデバイス技術や、同社の最大の特長でもある高効率な電源回路設計技術を活かし、業界最高の発光効率190lm/Wを達成した直管形LED照明「R-FAC40MN1」を開発したと発表した。この製品は発光効率を向上させたことで、消費電力面が非常に優れており、従来の直管型LED照明と比較して発光効率が35~6パーセントアップ、消費電力は24パーセントダウン、インバーター式の蛍光灯(高効率タイプ)の消費電力と比較すると、なんと約60パーセントダウンという驚異の省エネ性能を実現している。

 とはいえ、LED照明といえば、省エネで長寿命なのはいいけれど、光が一点に集中して目に優しくないイメージもある。そのため、あえて従来の蛍光灯を使用し続けているオフィスや施設も多いのではないだろうか。ところが、ロームのLED照明はムラのない均一な面発光を実現し、光の拡散技術によってまぶしさを抑えることで、オフィスのような長時間使用する環境下でも、目への負担が最小限になるように配慮されているという。また、同社ではセンサ技術や無線通信技術などと組み合わせ、快適な生活空間を目指したトータルソリューション提案を行っていくとしており、今後の展開に期待がかかる。

 単純に考えるべきではないのかもしれないが、日本の企業や商業施設のほとんどが、もしもこのLED照明に切り替わったら、日本の電力事情は一気に好転するのではないだろうか。再生可能エネルギーの利用もさらに進めば、エネルギー問題も解決の方向にむかうかもしれない。あくまで理想ではあるが、もしも日本企業の技術でそのような社会が実現する可能性があるのであれば、それは是非、世界に先駆けて日本で実現したいものだ。(編集担当:藤原伊織)