JR北海道副社長に、JR東日本の西野氏が就任

2014年03月24日 00:19

 20日、JR北海道は4月1日付の新しい経営体制を発表。現在不在の副社長のポストにJR東日本<9020>の西野史尚執行役員仙台支社長が就任。安全部門のトップとなる。また西野史尚氏は鉄道事業本部長も兼務し、こうしてJR東日本との連携を深めることで、安全体制の再構築を目指す。

 今回決定された人事は、すでに会長就任が発表されていた東鉄工業<1835>相談役で、元JR東日本常務の須田征男氏の希望に沿った人事であるとのこと。新しい経営体制は4月1日の臨時株主総会と取締役会を経て発足することとなる。

 また、去年9月の貨物列車脱線事故をきっかけに発覚した、レール異常放置や検査数値改ざんなどの問題の責任を問われ、野島誠社長と小池明夫会長は同日付で退任することとなる。次期社長には、JR北海道元常務の島田修氏が就任することがすでに発表されている。また一連の事故や不祥事を受け、保線部門トップの笠島雅之取締役工務部長の更迭も決定。後任の工務部長にはJR東日本から派遣されている伊勢勝巳鉄道事業本部副本部長が兼務する。

 伊勢勝巳氏は取締役には就かないものの、安全な鉄道の再構築のため、JR東日本出身者として運営に関与する。その一方で笠島雅之氏は非常勤として取締役に残り、4月以降はJR北海道の保線管理を請け負う北海道軌道施設工業(札幌市)の常任取締役となる。この北海道軌道施設工業に関しては、JR北海道から受領した保線経費を幹部らが着服した疑いで調査が行われている。笠島雅之氏はその事態の対処にあたる模様。

 今回副社長への就任が発表された西野史尚氏は、1981年に旧国鉄に入社。その後、経営企画や投資計画に携わり、2010年からは安全企画部長として鉄道の安全に取り組み続けた。また東日本大震災後の13年6月以降は、仙台支局長として復興事業にも携わった。JR東日本で培った手腕と経験による速やかなJR北海道の再生が期待されている。

 JR北海道は、去年11月からJR東日本と人事面での連携を強めており、これまで保線などの技術系社員8人の受け入れなどを行っていた。(編集担当:滝川幸平)