20日、経営再建中のルネサスエレクトロニクス<6723>はジェイデバイスと、ルネサス100%連結子会社の「ルネサスセミコンダクタ・シンガポール社」が保有する半導体製造設備のうち、両社で合意した設備をジェイデバイスの子会社である「ジェイデバイスセミコンダクタ」に譲渡することで合意したと発表。またこの譲渡に伴い、「ルネサスセミコンダクタ・シンガポール社」にて生産を行っている製品のうち両社で合意した製品に関して、ルネサスエレクトロニクスから「ジェイデバイスセミコンダクタ」に製造委託することについても合意したとの発表を行った。
ジェイデイバスは半導体後工程の受託生産で国内最大規模をほこる。その子会社に、ルネサスエレクトロニクスはシンガポールの半導体後工程製造子会社「ルネサスセミコンダクタ・シンガポール社」の製造設備の一部を譲渡する。また「ルネサスセミコンダクタ・シンガポール社」での半導体生産を2015年10月から16年3月までに終了させる予定であることも明らかにした。
ジェイデバイスの子会社である「ジェイデバイスセミコンダクタ」に譲渡される設備の金額は明らかにされていない。16年3月期中に譲渡される予定。また「ルネサスセミコンダクタ・シンガポール社」にて生産されていた製品のうち、両社が合意した製品に関しては、ジェイデバイスセミコンダクタ熊本工場に製造委託される。
こうして製造設備を譲渡する「ルネサスセミコンダクタ・シンガポール社」は、それに合わせて生産終了する予定で、それに伴いルネサスエレクトロニクスは現地の労働組合と協議を開始したとのこと。
今回の譲渡は、今後のシンガポールでの製造ビジネスの拡張性、および海外拠点における効率的な運用という観点から決定したとのこと。またルネサスエレクトロニクスは国内外の生産拠点の再編を推し進めることにより、製造効率の向上や高い稼働率の維持、またアウトソージングを活用した製造全体の最適化を図り、コストの削減、および利益を生み出すことの出来る新たな製造体制の実現を目指すとしている。(編集担当:滝川幸平)