「TOYOTA i-ROAD」は日本国内では「一人乗り第一種原動機付き自転車(ミニカー)」にカテゴライズされる。ボディ寸法は全長×全幅×全高2345×870×1455mm、ホイールベース1695mm。重量300kg。2個のモーターを搭載するが出力などは公表していない。
トヨタ自動車は、2014年3月24日から6月初旬までの間、首都圏(東京都および神奈川県)でパーソナルモビリティ「TOYOTA i-ROAD」の日常的な使用での使い勝手を検証するモニター調査を実施する。
「i-ROAD」は昨年秋の東京モーターショーで展示・紹介された超小型電気自動車で、アメリカでは公式にNEV(Neighborhood Electric Vehicle、つまりご近所用車両)と呼ばれているカテゴリーのクルマだ。
トヨタでは、経済産業省が行なう「次世代エネルギー・社会システム実証事業」として採択を受け、「豊田市低炭素社会システム実証プロジェクト」の一環として、2012年10月より愛知県豊田市で実証運用を開始していたが、3月初旬から豊田市の都市交通システムにも投入。これをうけて、本格的に首都圏でもモニター調査を行なうこととなったわけだ。
日産自動車は、すでに昨年10月からワンウェイ型カーシェアリングシステム「チョイモビヨコハマ」を開始している。これは、日産と横浜市が協働で進めている「ヨコハマモビリティ“プロジェクトZERO”(YMPZ)」の一環で、国交省の「超小型モビリティ導入促進」事業の支援を受けて30台の稼働からスタート、最終的に100台規模の「日産ニューモビリティコンセプト」が、横浜市都心エリアに設置される約45箇所のカーステーションで自由に借用し返却できるというシステム。基本料金は1分間20円である。入会金は無料。会員は3000名ほどだという。
今回のモニター調査は、「i-ROAD」に興味・関心を持った一般ユーザーや、NEVなどのトレンドに見識を持つ有識者など計20名程度を対象に車両10台を用いて実施する。今回のトヨタのモニター調査で、いわゆる“ご近所グルマ”のシェアリングが加速するかどうか見えてきそうだ。
「i-ROAD」を普段の生活のなかで使って、その際の使用感や乗り味をはじめ、都市部の利用における使い勝手、使い易さを検証する。また、自転車では遠くて敬遠していた目的地でも出かけるようになるなど、「i-ROAD」使用によって起こる行動変化など、小さなモビリティとしての利用価値を検証する。
「i-ROAD」は、コンパクトなボディサイズによる新しい使い勝手を持つ乗り物だ。モニター用車両では、東京モーターショーに出展したコンセプトモデルをベースに、利便性や視認性を向上させているという。同時に、リア周りをより軽快感のあるデザインに変更している。また、全5色のカラーバリエーションを設定したのもニュースだ。
大都市の近距離移動に最適で、かつ利用者の幅広いニーズに応える超小型電気自動車(NEV)が、この調査でどのように評価されるか楽しみである。パーソナルな乗り物と公共交通を適切に組み合わせた、人にも街にも社会にも優しい交通サポートシステムは実現するだろうか。(編集担当:吉田恒)