「超小型電気自動車」+「カーシェア」。コレが東京モーターショーでの日本メーカーのトレンド?

2013年12月03日 08:08

I-ROAD

トヨタ製EV「i-ROAD」は乗車定員2名。ヤマハの3輪バイクの自動車版か。コーナリングで車体が2輪車のように内側に傾くのがキモだ。タイヤの特性なども四輪車とは同一に考えられない。

 第43回東京モーターショーは12月1日に無事終了した。このなかで気になる「日本の傾向」に触れてみたい。それは、日産、トヨタ、ホンダがそれぞれ展示した「超小型モビリティ」のコンセプト&プロトタイプだ。

 日産が展示した「NISSAN New Mobility CONCEPT」は横浜市と実装実験を始めた2人乗りのカーシェアリングの電気自動車(EV)だ。「チョイモビ ヨコハマ」として別項詳しいので、参照願う。

 ホンダは、積水ハウス、東芝と3社合同で、TMS会場で同時に開催した「SMART MOBILITY CITY 2013」で、最新の次世代「スマートハウス」を提案した。業界の枠を取り払った新しい試みのなかで、新しい超小型ホンダ製EV「MC-β」を展示した。これも別項で後に掲載する予定。

 この日本を代表する3社の超小型EVのキーワードは「モビリティ・シェアリング」にありそう。小型な車体をいかして「シェア・ステーション」でクルマを借りて、次の「モビリティ・シェアリング・ステーション」で返却する、短距離移動型のレンタカーだ。

 今後の日本の社会を見据えると、東京などの都心で「カーシェアリング」は加速度的に進むと見ている。筆者は個人的に既に数社のシェアを利用しているが、不便なことはない。自分では趣味性の高いクルマ1台だけを所有して、荷物やマルチパーパス対応のクルマは“借りる”が都市部の正しい姿か?

 そこで、ここではトヨタにフォーカスする。「コンパクトで爽快なモビリティ」をテーマに開発した都市部の近距離移動ニーズに対応する3輪式超小型EV「i-ROAD」を展示。省スペース設計による取り回しの良さと、マシンとの一体感を味わいながら狭い道でも爽快な走りを会場で見せた。この新しいMobi「i-ROAD」が都市の渋滞緩和や駐車スペース削減、CO2の少ないクリーンな町づくりに貢献する。

 i-ROADの走りは、新機構アクティブリーン機構の採用で、ハンドル操作による旋回時や段差、傾斜路面でも、左右前輪が上下して車体の傾きを最適に制御する。このため、バイクのようにライダーが車両のバランスを保つ必要がなく、安定した走行が可能になった。クルマやバイクとは別次元の一体感に満ちた爽快な走りを体感できるという。

 2人乗りを実現しながら、そのボディサイズは全幅850mmと超小型。車線を占有することなく道路端をスムーズに走行できて、駐車時に必要なスペースは通常のクルマの半分以下だ。室内の快適性も天候に左右されないようにルーフとドアが備わる。EVゆえ静粛性は抜群、好きな音楽を存分に楽しむこともできる。計画では、カーシェア予約もすべてスマホで行なえるという。スマートモビリティとの距離が縮まる。

 ROADは、リチウムイオン電池を搭載し1回の充電で50kmの走行を実現した。ちょっとした移動に使えるトヨタが展開する新しいシェアリングサービスに、i-ROADは電動アシスト自転車とともに導入される予定だ。

 前述したが、ホンダ製EV「MC-β」の概要について別項で述べる。(編集担当:吉田恒)