26日のNYダウは98ドル安と反落。耐久財受注が市場予想を上回り午前中の株価は上昇したが、オバマ大統領がロシア経済の生命線と言えるエネルギー産業対象の制裁をEUと検討と伝わると「そこまでやるか」という反応でマイナス圏に沈んだ。オンラインゲーム関連の新規IPOが上場初日から急落し、フェイスブックはバーチャル映像の企業の買収が財務懸念を呼び6.6%の下落。アップルやグーグルも軟調だった。27日朝方の為替レートは、ドル円が102円近辺、ユーロ円が140円台後半で、前日より円高が進んだ。
シカゴCME先物6月限清算値は14295円。この日からは配当落ち分の加算をしなくてよい。外部環境が良くない中で迎えた「権利配当落ち日」の日経平均は171.49円安の14305.67円で始まる。日経平均の配当落ちは102円、TOPIXのそれは10.8ポイントと推計された。ゴルフにたとえればスコアが10ストロークオーバーから始まるようなきついハンデ戦なので、ハンデを全部埋めてイーブン(値動きなし)で終われれば「よくやった」と言われる日。日経平均はすぐ14200円台に下落しTOPIXも下げ幅拡大。9時32分の14227円が底で、午前10時直前には14300円まで戻し10時台、11時台は14300円を軸に上下30円の値幅でマイナス圏でのもみあいになる。前場の最高値は10時5分の14327円で、前引は14308円だった。
後場は前場の状況そのまま14300円近辺で始まるが、約10分後から為替の円安の追い風を受けていきなりの急騰開始。午後1時すぎには厳しいハンデ戦をイーブンまで戻してプラス圏に浮上。さらに14500円も200日移動平均線も一気に突破する猛チャージ炸裂。しかしその間もTOPIXはマイナスで先物主導に変わりない。1時13分に14563円まで上げた後はマイナスになりかけては戻し、プラス圏の14500円を少しオーバーする水準の値動き。2時6分に14600円にタッチしても一時的だったが、終盤に再び猛チャージがかかる。2時50分過ぎに14600円を突破してさらに上昇。一時14650円を上回って14659円のハイスコアをマークし、終値は145.73円高の14622.89円で、配当落ちのハンデを完全に埋めきった上に3ケタ高と強さを見せつけて続伸した。ハンデがなければ上昇幅は250円に近く、実質新年度入りだった東京市場の今後に明るい希望を抱かせる権利配当落ち日となった。前場は100円だった日中値幅は432円に急拡大。ほとんどの時間はマイナスだったTOPIXも終盤プラスに転じ+4.83の1176.90で4日続伸した。売買高は25億株、売買代金は2兆4748億円だった。
東証1部の値上がり銘柄は920、値下がり銘柄は756。値上がりしたセクターは22業種で、その上位は小売、精密機器、電気・ガス、ガラス・土石、倉庫、鉄鋼など。値下がりしたセクターは11業種で、その下位は証券、保険、その他金融、石油・石炭、卸売、情報・通信などだった。
日経平均採用225種の値上がりは136銘柄、値下がりは74銘柄。プラス寄与度1位は後場急騰して1190円高のファーストリテイリング<9983>で+46円。2位はファナック<6954>で+9円。マイナス寄与度1位は最初から最後まで日経平均の足を引っ張り続けたソフトバンク<9984>で-17円。2位は武田薬品<4502>で-2円だった。
メガバンク3行は配当落ちを埋めきれず全てマイナス。特に三井住友FG<8316>は132円安と大きく下落した。証券も同様で、野村HD<8604>が7円安になった他、値下がり率ランキング5位に極東証券<8706>、14位に岩井コスモHD<8707>、18位に水戸証券<8622>が入っていた。