【日経平均】悪化した中国PMIに負けずに上昇し251円高

2014年03月24日 20:20

 前週20日のNYダウは108ドル高と反発。アメリカがロシアへの追加の経済制裁を発表しロシアも報復制裁で応じたが反応薄。大寒波の影響で2月はマイナスだったフィラデルフィア連銀製造業景況指数はプラスに変わり、景気先行指標総合指数も新規失業保険申請件数も市場予想を上回って安心感がひろがり、金利先高観で金融が好調だった。前週末21日のNYダウは28ドル安。地区連銀総裁たちからイエレン発言、FRBの新しいフォワードガイダンスへの批判が相次ぎ、週末要因もあり下落した。バイオ関連が下落し、ティファニーは四半期決算が赤字で0.48%下落。ナイキは決算は市場予測を上回ったが来期見通しが慎重なため5.12%下落した。24日朝方の為替レートは、ドル円は102円台前半、ユーロ円は141円近辺で、三連休前の20日よりも少し円高に振れていた。

 日経平均は73.35円高の14297.58円で始まる。すぐ14300円を超えて上昇し午前9時15分には14350円を突破。5日移動平均線を超えて9時43分には14400円台に乗せてそのまま値を保つ。ここまでは自律反発。しかし10時45分に中国の3月のHSBC製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値が発表され、2月より0.4ポイント低い48.1で3ヵ月連続の50割れで市場予測も下回ると急落する。しかし14360円近辺で下げ止まり、V字回復して11時には14400円台後半まで上昇する。「伏魔殿」発のバッドニュースに負けなかったのはドル円が102円台半ば、ユーロ円が141円台半ばまで進行した円安のアシストのおかげもある。上昇の勢いそのままに11時台には14500円に何度もタッチ。上海市場も香港市場もプラスを保っていたが、こうも中国から悪い経済指標が何度も出てくると「今度も悪いだろう」と狼少年的にマーケットの反応は弱くなる。前引は14484円だった。

 後場も午後0時35分に14514円の最高値をつけるなど14500円に何度もタッチしながら、前週も上値抵抗ラインだった200日移動平均線の14504円近辺で押し返されるパターンを繰り返す。2時台には14400円台後半で振幅が少し大きくなり、終値は251.07円高の14475.30円と反発したものの14500円台回復はお預け。日中値幅は227円だった。TOPIXは+17.07の1163.04で3日ぶりに反発。売買高は29億株、売買代金は2兆6814億円と3日連続の2兆円超えで、暖かい春風に乗って商いが回復してきた。

 東証1部の値上がり銘柄は1476で全体の82%を占めた。値下がり銘柄は293。33業種別騰落率は28業種が上昇、5業種が下落。プラス業種上位は精密機器、倉庫、繊維、その他製品、陸運、証券など。下位は卸売、医薬品など。マイナス業種は石油・石炭、ゴム製品、非鉄金属、鉄鋼、保険だった。

 日経平均採用225種の値上がりは150銘柄だったが、値下がりは72銘柄と意外に多い。プラス寄与度1~3位は「御三家」が揃い踏みし合計で+75円で上昇幅の3割を占め、この日もやはり先物主導。マイナス寄与度1位は配当取りが一段落したためか値下がり率12位と売られたアステラス製薬<4503>で-10円、2位はホンダ<7267>で-3円だった。

 メガバンク3行はみずほ<8411>は値動きなしで、他はなぜか逆行安。対照的なのが証券セクターで、野村HD<8604>は7円高、大和証券G<8601>は30円高。値上がり率ランキングではSBIHD<8473>は113円高で4位、岩井コスモ証券<8707>は年間配当を前期の15円から60円へ4倍にすると発表し104円高で8位。水戸証券<8622>も38円高で12位に入っていた。

 地銀の筑波銀行<8338>が32円高で値上がり率9位。信託銀行の三井住友トラストHD<8309>は大和証券のレーティング引き下げに逆らうように24円高で売買代金8位。来年1月の相続税増税前に「不動産の有効活用」や「遺言信託」で信託銀行のビジネスチャンスが来ると言われているが、フタを開けてみないとわからない部分もある。