25日のNYダウは91ドル高で3日ぶり反発。NASDAQも上昇した。自律反発に加え、CB消費者信頼感指数が4.0ポイントの上昇で市場予測を上回り2008年以来の高水準だったのも好感された。2月の新築住宅販売件数は減少したが「大寒波のせい」にされ不問。ヘルスケアのメルク、ITのシスコシステムズ、IBMなどが上昇したが、ナイキや金融のゴールドマンサックス、VISAなどは下落した。26日朝方の為替レートはドル円は102円台前半、ユーロ円が141円前半で、前日からあまり動いていなかった。
シカゴCME先物清算値は14355円で権利配当落ち分80円を足すと14435円。しかしシンガポールSGX先物は東京市場の取引開始前に上昇し、3月期決算銘柄の権利付き最終売買日を迎えた日経平均は97.81円高の14521.00円で始まり、午前9時4分には14569円まで上昇。しかし14500円台は9時40分頃まで。急落して14500円を割り、さらにマイナス圏に沈み10時21分に14406円まで下げる。中国市場が底堅く始まり短時間でプラスに戻すが、上値は追えず14400円台でくすぶり前引は14456円だった。
後場もマイナス圏には落ちないが、おおむね14440~14480円の40円幅での小動きが延々と続く。異変が起きたのが2時台前半で、いきなりマイナスまで凹むがすぐV字回復して元のレンジに戻る。凹んだ時間帯にこの日が新規上場のマザーズのサイバーダイン<7779>に初値がついていたが因果関係は不明。大引け間際、翌日の権利配当落ち分を修正するためにTOPIX先物の「再投資買い」が入る観測もあったが、TOPIXは1170近辺から上に突き抜けず空振り。終値は53.97円高の14477.16円と反発したが、この日も14500円台に乗せられなかった。日中値幅は168円。TOPIXは+8.37の1172.07だった。売買高は24億株、売買代金は2兆3599億円で、権利付き最終売買日でも前日より少なかった。27日の日経平均の権利配当落ち分は当初80円程度と思われたが、その後の増配の発表もあったため100円を超える見通しで、例年になく大きくなった。27日の日経平均がそれを即日埋めてプラスで終われれば、上々の出来と言える。
値上がり銘柄は1080、値下がり銘柄は606。値上がりセクターは26業種でその上位は保険、機械、精密機器、非鉄金属、食料品、その他製品など。値下がりセクターは7業種でその下位は水産・農林、その他金融、情報・通信、倉庫、陸運、空運などだった。
日経平均採用225種の値上がりは146銘柄、値下がりは71銘柄。プラス寄与度1位は188円高で4日ぶりに反発したアステラス製薬<4503>で+7円、2位は値上がり率17位のオリンパス<7733>で+6円。マイナス寄与度1位はソフトバンク<9984>で-14円、2位はKDDI<9433>で-4円だった。
メガバンクは3行とも上昇したが、証券大手は野村HD<8604>は5円高でも大和証券G<8601>は2円安。自動車では富士重工<7270>の62円高が目立ったが、次世代のエコカー「燃料電池車(FCV)」でトヨタ<7203>とホンダ<7267>が2015年から年1000台のペースで生産するというニュースあり。トヨタは61円高、ホンダは21円高だった。1000万円程度の車両価格も2020年代には500万円を切る水準まで下げるという。実用化には燃料の水素の供給ネットワークが必要だが、今年夏、岩谷産業<8088>とJXHD<5020>傘下のJX日鉱日石エネルギーが燃料自動車向けの商用水素スタンド網づくりに着手するというニュースもあり、岩谷産業は14円高、JXHDは4円高。水素ステーションに関わる燃料商社のミツウロコ<8131>は14円高、豊田通商<8015>は10円高、伊藤忠エネクス<8133>は13円高。そのプラント技術を持つ千代田化工<6366>は34円高と、揃って買われていた。
電機は日立<6501>が24円高で売買代金4位、ソニー<6758>が34円高で同7位と活発に買われNEC<6701>も13円だったが東芝<6502>値動きなし。重工セクターは三菱重工<7011>の21円高が目立った。キリンHD<2503>はM&A抑制で資金に余裕が出て2015年12月期の年間配当を2円増配し40円にすると報じられ35円高。来期末までに自社株買いも数百億円規模で実施するという。前日、協同飼料<2052>と日本配合飼料<2056>の共同持株会社方式による経営統合が発表され、東証は売買停止措置をとったが、一夜明けると通常取引に戻り協同飼料は1円安、日本配合飼料は1円高。10月1日にフィード・ワンHDが設立される。