NTT<9432>は2.95%上昇の161円高、NTTドコモ<9437>は34円高で通信大手は軒並み高。ベアリングが好調で12~2月期の経常利益が9割増の45億円のもようと報じられた不二越<6474>は10円高。鉄鋼セクターは神戸製鋼<5406>が4円高、3.01%上昇と好調で、新日鐵住金<5401>も5円高。海運セクターは日本郵船<9101>が7円高で2.39%上昇、川崎汽船<9107>が10円高で4.69%上昇と株価を上げていた。
2014年度本予算を上半期の4~9月に前倒し執行する安倍内閣は28日、アベノミクス成長戦略の目玉として東京圏、関西圏、福岡市、沖縄県、新潟市、兵庫県養父市の6カ所を国家戦略特区と定めた。農業関連では日本農薬<4997>が103円高、7.09%上昇と買われ値上がり率9位に入り、衛生白衣ではトップシェアで手術用や介護の分野にも展開するナガイレーベン<7447>が181円高で昨年来高値を更新し値上がり率4位に入ったのは、医大の新設も行われる医療戦略特区と無関係ではなさそう。一方、東京圏、関西圏の国家戦略特区では容積率の緩和など建築基準法の大胆な規制緩和が予想され、不動産関連は三井不動産<8801>が93円高、三菱地所<8802>が40円高、住友不動産<8830>が62円高、前週末にゴールドマンサックスが目標株価を引き上げた東京建物<8804>は47円高と、揃って株価を上げていた。
バスや電車の行先表示電光板を製造するレシップHD<7213>はストップ高の150円高で昨年来高値を更新し値上がり率1位。同5位はリソー教育<4714>で20円高。前日30日に羽田空港の国際線発着枠が拡大され、就航先が海外17都市から25都市へ約5割拡大。海外旅行者、海外からの訪日観光客の増加を見込んでエイチ・アイ・エス<9603>が340円高。アコーディア・ゴルフ<2131>は117円安で値下がり率1位と続落した。
この日の主役は、消費増税に加え2月期決算発表シーズンも近づきニュースが多い小売セクター。イオン<8267>は前日、日経新聞に端末本体、通話基本料、ネット通信料込みで月2980円の格安スマホに参入という記事が出て17円高。イオンと組むMVNO(仮想移動体通信事業者)の日本通信<9424>はストップ高比例配分の80円高で昨年来高値を更新した。セブン&アイHD<3382>は3円高。ファミリーマート<8028>は韓国市場から完全撤退するニュースがあったが30円高と国内シフトを歓迎されていた。ローソン<2651>はメーカーが持つ技術を発掘し独自商品を開発して販売すると報じられ250円高。札幌拠点のアークス<9948>は岩手県の食品スーパー、ベルグループと経営統合すると基本合意したが3円安だった。
ファーストリテイリングは、柳井正社長が28日に改装オープンしたNY五番街の旗艦店で「2020年に全体売上高5兆円、アメリカで1兆円を目指す」と打ち上げたが450円安。「アンディ・ウォーホル作品のTシャツ」など、スポンサーになったNY近代美術館(MoMA)とコラボした新商品もお披露目。ちなみに、タイムトラベルは楽しメトロポリタン美術館には日本館があり寄付や美術品の寄贈を行った日本企業は少なくないが、さすがにそこまではさせてもらえない。(編集担当:寺尾淳)