【日経平均】ドレッシング買いが入り131円高で3月終了

2014年03月31日 20:39

 前週末28日のNYダウは58ドル高。2月の個人所得・支出、3月のミシガン大学消費者信頼感指数は市場予測にほぼ沿った数字で朝は高く始まり、一時マイナス圏まで下落したが午後に買い戻された。アマゾンドットコムが無料動画配信計画中とウォールストリートジャーナルが報じたが反応薄。エネルギー関連は上昇したが、バイオ、ヘルスケアは相変わらず軟調。31日朝方の為替レートはドル円が102円台後半、ユーロ円が141円台半ばで、前週末よりも円安が進行した。

 前週末のシカゴCME先物清算値は14795円、シンガポールSGX先物始値は14810円と高く、年度末の3月最終日の日経平均は143.51円高の14839.54円で始まる。取引時間前に発表された2月の鉱工業生産指数は大雪の影響で前月比-2.3%と3ヵ月ぶりに低下し、市場予測が+0.3%なのでネガティブサプライズだったが、ドル円が103円に肉薄する為替の円安がそれを癒した上に、月末のドレッシング買いも入ったようで一気に14800円台に乗せる。25日移動平均線を突破して日足一目均衡表の雲の中に突っ込み、3月14日に開けたマド埋めを完了して75日移動平均線に接し、2月末の終値14841.07円に迫る。TOPIXも1200の大台に急接近した。

 序盤の日経平均は「寄り高」で下落した後は14800円をはさんで上に行ったり下に行ったりしたが、TOPIXは午前9時29分に1200の大台タッチを果たして堅調。10時30分に始まった上海総合指数がマイナス圏に落ち、香港ハンセン指数が上げ幅を急速に圧縮すると日経平均も連動して10時50分に14718円まで下げたが、マイナスにはならず、すぐにV字回復して14760~14780円の水準で安定し、前引は14758円だった。

 後場は変動幅が14760~14800円とひろがるが、なおも小動き。14800円に何度タッチしてもそれより上に抜けない状況に変化が起きたのが大引け15分前で、日経平均は14800円を突破してさらに急騰し、TOPIXも1200を突破。「年度末最終ドレッシング買い出動」で午後2時58分に14843円まで上昇した。これは3月はプラスでハッピーエンドかと思わせたが、土壇場で無情の利益確定売りが入って131.80円高の14827.83円、2月末比マイナス13.24円で3月の取引を終えた。それでも4日続伸で前週の利益確定イベントからプラスが続く。日中値幅は125円と小さかった。TOPIXは+16.37の1202.89で1200の大台に乗せて6日続伸。大型株が多いJPX日経400は1.43%上昇して日経平均やTOPIXを超える上昇率を記録し、ドレッシング買いで大型株物色が盛んだったことを裏付ける。売買高は20億株、売買代金は2兆566億円で、2兆円超えは19日から8営業日連続。

 東証1部の値上がり銘柄は1317で全体の73%を占め、値下がり銘柄は374。33業種別騰落率は上昇32業種、下落は精密機器1業種。上昇セクター上位は保険、非鉄金属、その他金融、不動産、海運、石油・石炭など。下位は医薬品、電気・ガス、小売、建設、サービスなどだった。

 日経平均採用225種の値上がりは181銘柄、値下がりは33銘柄。プラス寄与度1位はKDDI<9433>で+14円、2位はソフトバンク<9984>で+12円と通信大手が占めた。マイナス寄与度1位はファーストリテイリング<9983>で-17円、2位はテルモ<4543>で-2円だった。

 メガバンクはドレッシング買いのターゲットで、特に三井住友FG<8316>は109円高で2.53%の大幅上昇をみせた。みずほ<8411>は2円高、インドのバンガロールに邦銀初の支店を出す三菱UFJ<8306>は12円高。もう一つのメガバンク、りそなHD<8308>は売買高12位で13円高。新生銀行<8303>は同6位で12円高で値上がり率16位に入った。信託銀行の三井住友トラスト<8309>は同17位で11円高。ノンバンクのオリックス<8591>も33円高と金融全般に買いがひろがった。証券は前週に続き好調で野村HD<8604>は10円高だった。

 円安でもあり自動車、電機は大きく上昇した。トヨタ<7203>は41円高、ホンダ<7267>は80円高。富士重工<7270>は91円高。フォードのフィリピン工場を買収する三菱自動車<7211>は23円高で、マツダ<7261>は19円高と大きく上昇した。後場に2月の自動車生産台数が発表され、7.1%増で6ヵ月連続増加。一方、輸出は6.0%減で3ヵ月連続で減少した。ソニー<6758>は75円高で3.95%の上昇。売買高8位、売買代金2位と買われたが、前週末に本社機能を4月1日付で集約すると発表し構造改革を好感された。三菱電機<6503>は大型冷蔵庫を4月も引き続き増産と報じられ22円高。エアコンや冷蔵庫は夏が近い4~6月は本来、販売が伸びる時期。そのエアコンのダイキン<6367>は中南米に3カ所の工場を建設すると報じられ128円高になった。