【今週の振返り】権利確定イベントを通過し471円上昇した週

2014年03月29日 20:04

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中国PMIの悪化にも負けず、27日は配当落ちを即日埋めて、TOPIXは週間全勝の強さは本物か?

 前週20日のNYダウは108ドル高と反発。アメリカがロシアへの追加の経済制裁を発表しロシアも報復制裁で応じたが反応薄。大寒波の影響で2月はマイナスだったフィラデルフィア連銀製造業景況指数はプラスに変わり、景気先行指標総合指数も新規失業保険申請件数も市場予想を上回って安心感がひろがった。前週末21日のNYダウは28ドル安。地区連銀総裁たちからイエレン発言、新しいフォワードガイダンスへの批判が相次ぎ、週末要因もあり下落した。バイオ関連が下落。ティファニー、ナイキも下落した。24日朝方の為替レートは、ドル円は102円台前半、ユーロ円は141円近辺で、三連休前の20日よりも少し円高に振れていた。

 日経平均は73.35円高の14297.58円で始まる。すぐ14300円を超えて上昇し午前9時15分には14350円を突破。9時43分には14400円台に乗せてそのまま値を保つ。ここまでは自律反発。しかし10時45分に中国の3月のHSBC製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値が発表され、2月より0.4ポイント低い48.1で3ヵ月連続の50割れで市場予測も下回ると急落。しかし14360円近辺で下げ止まり、V字回復して11時には14400円台後半まで上昇する。バッドニュースに負けなかったのは円安進行のアシストのおかげもある。上昇の勢いそのままに11時台には14500円に何度もタッチし、前引は14484円だった。

 後場も午後0時35分に14514円の最高値をつけるなど14500円に何度もタッチしながら、前週も上値抵抗ラインだった200日移動平均線近辺で押し返されるパターンを繰り返す。2時台には14400円台後半で振幅が少し大きくなり、終値は251.07円高の14475.30円と反発したものの14500円台回復はお預け。日中値幅は227円だった。TOPIXは+17.07の1163.04で3日ぶりに反発。売買高は29億株、売買代金は2兆6814億円と3日連続の2兆円超えで商いが回復してきた。

 33業種別騰落率は28業種が上昇、5業種が下落。プラス業種上位は精密機器、倉庫、繊維、その他製品、陸運、証券など。下位は卸売、医薬品など。マイナス業種は石油・石炭、ゴム製品、非鉄金属、鉄鋼、保険だった。

 週明けの24日のNYダウは26ドル安で続落。PMIが悪化した中国が新たな景気刺激策を打ち出す期待で朝方はプラスだったが、アメリカのPMIが市場予測を下回り、高薬価問題が尾を引くNASDAQのバイオ関連銘柄に売りが入るとNYダウも連動してマイナス圏で終えた。NASDAQは1%を超える下落。アップルはコムキャストとの提携話が出て1.19%上昇した。25日朝方の為替レートはドル円は102円台前半、ユーロ円は141円台前半で、前日夕方から少し円高に振れた。

 日経平均は73.61円安の14401.69円で始まり、値がつくにつれてまずCME清算値にさや寄せした後、さらに下落して14350円を割り込み午前9時37分に14312円で底を打つ。14350~14370円近辺でもみあった後、「10時ホイッスル」の先物主導で14440円付近まで急上昇しTOPIXはプラスに変わる。しかし10時30分に上海市場も香港市場も3日ぶりの反落で始まるとその影響を受けてTOPIXはマイナスに戻り、日経平均は14400円をたびたび割る。それでも11時台は底堅く一段高い水準の値動きになり、前引の日経平均は14425円でTOPIXはプラスだった。

 後場は為替レートが円安方向に動いたこともありプラス圏に浮上して14500円前後で値動きする。午後1時34分に14531円まで上昇するが、200日移動平均線(14505円)がこの日も上値抵抗ラインの役割を果たし、戻り待ち売りで日経平均をはね返す。2時前に一時マイナスにタッチして戻したが、そのレベルを最後まで保てず2時40分頃からマイナスに落ち先物主導でズルズル下げる。終値は52.11円安の14423.19円と反落し14500円台乗せはこの日もお預け。日中値幅は219円。TOPIXは+0.66の1163.70で、NTで高安がねじれた。売買高は26億株、売買代金は2兆4431億円。26日の権利付き最終売買日を翌日に控えて権利配当取りが盛んになり、小型株がまんべんなく買われてTOPIXを支えてプラスにし、売買高も押し上げていた。

 業種別騰落率プラス上位は鉱業、パルプ・紙、繊維、陸運、倉庫、非鉄金属など。マイナス下位はその他金融、情報・通信、証券、不動産、小売、空運などだった。

 25日のNYダウは91ドル高で3日ぶり反発。NASDAQも上昇した。自律反発に加え、CB消費者信頼感指数が4.0ポイントの上昇で市場予測を上回り2008年以来の高水準だったのも好感された。ヘルスケアのメルク、ITのシスコシステムズ、IBMなどが上昇したが、ナイキや金融のゴールドマンサックス、VISAなどは下落した。26日朝方の為替レートはドル円は102円台前半、ユーロ円が141円前半で、前日からあまり動いていなかった。