電子書籍もここまできた マルクス・エンゲルス全集が配信開始

2014年04月13日 10:25

 現代は電子書籍で様々な本を読むことができる。小説から漫画からノンフィクションからジャンルを問わずに読むことができる。そんな中で、大月書店からマルクス・エンゲルス全集が電子化された。これはやはり驚きと言っていいだろう。同書店は、マルクス・エンゲルス全集のほかにもレーニン全集、スターリン全集など社会主義関係の本を出してきた老舗出版社である。
 
 このマルクス・エンゲルス全集は、会員登録を行うことによりデータベースへのアクセスが可能で、事項索引、人名索引も電子化されているので該当ページに飛ぶことも可能だ。全文検索はまだ実現していないが、ある程度的を絞った読み方は可能となる。気になる料金は、全53巻を読む場合には、月額1000円となる。さらに、マルクス・エンゲルスの代表作ともいえる資本論だけならば、月額500円、で読むことができる。
 
 データは、出版社のサーバーに存在するので、インターネットが繋がる環境ならばいつでもどこでも読むことができる。登録を行えば10日間限定で、すべての全集の内容が読み放題となる、無料の体験版も提供しているとのことなので、まずは一度試してみると良いかもしれない。
 
 そして肝心なのは、マルクス・エンゲルスおよび資本論をいつどこで読むかということだろう。大学院の研究などに用いる人間はまず飛びつくだろうが、それ以外の人にとっては悩みどころだ。小説のようにストーリーに入っていくようなものではないので、長期旅行のお供などにすると良いかもしれない。
 
 ある旅行作家も、アジアを放浪する長期旅行に際して資本論を文庫本で持参したという。理由は日本にいたらまず読みそうにないものを、というものだったらしい。しかし、旅行先でもページを開くことはなく、バックパックの底にずっしりと眠ったままであるという。電子化の時代に、社会科学の古典が再び読まれることになるのか、注目したい。(編集担当:久保田雄城)