財務省、海外ネット配信にも消費税課税へ

2014年04月07日 07:36

 4日、財務省は海外からインターネットを通じて国内に配信される音楽や電子書籍などに関して、2015年3月に消費税法の改正を行い、なるべく早期に課税を開始する方針を明らかにした。税務省は同日に開かれた政府税制調査会の会合にて、その素案を示した。

 インターネットを通じて国内に配信される音楽や電子書籍などに関しては、現在消費税の課税対象外となっているが、15年度税制改正大綱に課税対象とすることを盛り込み、それにより国内と海外の事業者間の競争環境を整え、公平な競争が行えるようにする。実施に関しては15年度中を目指す。

 4日に開かれた政府税制調査会の会合で、財務省がその素案を示した。国内の個人に向けてインターネットを通じて音楽や電子書籍などの「電子コンテンツ」を配信している海外企業に対して、日本国内において「納税管理人」と呼ばれる税金支払い代行者の設置を義務付けることで、税金を徴収する制度を導入するとしている。

 また広告配信などの事業者向けの配信に関しては、海外事業者が国内の事業者に免税にてサービスの提供を行い、その代わり国内の事業者が申告納税を行うという仕組みを導入する予定だ。また事務の負担を軽減するという観点から、ある一定の事業者に関しては、申告対象から外す規定を設ける。

 海外にサーバーを置く米アマゾン・コムなどは、国外の取引として扱われ消費税の課税が行われておらず、4月に消費税が増税されたこともあって国内の企業の不満は高まりつつある。日本の消費税は関税を経由した輸入品に関しては課税が行われているが、インターネットを通じた配信に関しては税関を経由しないため課税することが出来ず、これまで税の抜け穴とされてきていた。このままでは消費税分の負担により国内と国外の事業者間に差が出来てしまうため、財務省はそうした競争環境を整えることにした。

 財務省は、法制改正後には周知やシステムの対応などのための時間が必要として、改正したのち一定期間をあけてから施行するとしている。(編集担当:滝川幸平)