12日、楽天<4755>は1万円台で購入することの出来るカラー表示の新機種を、電子書籍端末「kobo(コボ)」に加えると発表。こうして廉価版を発売することにより、初めて電子書籍を利用する主婦やファミリー層を取り込みたい考えがあるようだ。また、先行する米アマゾンに追撃する狙いもあるようだ。
今回発表された新機種「koboArc(コボアーク)7」は、2013年12月に発売が開始された「koboArc7HD」の廉価版であり、その価格も「koboArc7HD」が16GBで2万2800円、32GBで2万7800円であるのに対し(共に税込み価格)、1万4800円(税込み)と半分程度に抑えられている。
また、楽天Koboのストアやリーダーアプリに加え、GmailやSkype、Facebookなどのアプリも標準搭載されている。基本ソフト(OS)はAndroid 4.2で、Google Playから自由にアプリをダウンロードすることにより、汎用タブレットとしても活用することが出来る。
さらには購入した電子書籍や写真、WebサイトのURLなど複数のコンテンツをまとめてフォルダで管理することの出来る「コレクション」機能や、読書中にメールやSNSの通知をオフにする「リーディングモード」など、専用端末ならではの機能も搭載されている。
12年7月にサービスが開始されたKoboは、順調にその規模を拡大しているとのこと。販売額などの詳細は明らかにされてはいないが、今年1月の月間販売額は昨年比で6倍以上に、ユーザー数は3倍以上に伸長したとのこと。また購入するユーザーが拡大したことに加え、1人当たりの購買数も増加しているという。
楽天は15年度以降の電子書籍サービス事業を黒字化にすることを目標としており、端末やコンテンツの品ぞろえを強化している。今年1月には、当初目標としていた日本語コンテンツ数20万点を突破。デスクトップアプリも好評で、新たなユーザー層を獲得している。
MM総研によれば、12年度の電子書籍端末の国内出荷台数は47万台で、メーカー別に見てみると、首位がアマゾンでシェアは38.3%、2位は楽天でシェアは33.0%、3位はソニー<6758>でシェアは25.5%となっている。(編集担当:滝川幸平)