22日、オリックス<8591>は子会社を通じて、貴金属や宝飾品を扱うリサイクル会社ネットジャパン(東京音台東区)を買収すると発表した。香港の投資会社ネットジャパンホールディングスからネットジャパンの普通株式を議決権ベースですべて買い取るほか、中国のダイヤモンド輸出入会社など関連会社の株式も取得するとしている。買収金額は計約200億円程度を見込んでいる。株式取得は25日を予定している。この買収により、オリックスはネットジャパンの経営権を握ることとなる。
ネットジャパンは東京や札幌など国内11都市に支店を持ち、また国内のリサイクル市場において貴金属で約60%、ダイヤモンドで約45%のトップシェアを誇っている。全国2万店以上の買取業者とのネットワークを構築しており、それら貴金属業者が一般消費者から買い取った貴金属やプラチナ、ダイヤモンドをさらに買い取ることで仕入れを行い、その後精錬業者などに卸したり、貴金属会社や専門商社に転売したり、また香港で運営するオークションにて販売を行うなどしている。
リサイクル市場は、消費者の保有する大量の貴金属が「都市鉱山」として注目されており、その市場も拡大している。オリックスとしてもこうした貴金属などのリサイクル市場は急速に拡大すると考えており、アジアを中心とした中間所得層の増加もあって世界規模での市場拡大も見込めるとしている。オリックスは株式を取得するとともにネットジャパンに役員を派遣し、グループのネットワークを活かしつつ国内外で販路を拡大させ、ネットジャパンの収益力を高めるなど経営全般を支援するとしている。
オリックスは未公開株への投資事業を手掛けており、他の企業への売却などにより利益を得ている。今回のネットジャパンに関しても、その収益力を増幅させ企業としての価値を高めた上で、将来的には新規株式公開(IPO)により他の企業へ売却するなどの方法でもって投資資金を回収する方針だ。(編集担当:滝川幸平)