寒かった冬も終わり、日中はちょっと動けば汗ばんでしまうほど暖かくなってきた。暑い夏もあっという間にやってくる。今年も去年のような酷暑となるのだろうか。そう考えるだけでウンザリした気分にもなってくるが、忘れてはいけないのが加齢臭対策だ。
加齢臭の原因はノネナールというにおい成分である。これは皮膚表面を保護するために分泌されている皮脂が、酸化することによって発生する。押入れの臭いや古本の臭いにもよく例えられる独特の臭さだ。冬でももちろん加齢臭は発生しているのだが、暖かくなると汗の臭いとの相乗効果によってより臭いがキツク感じられるのだ。
メンズコスメティックス市場は年々その規模を拡大させている。2012年には1000億円を突破。その後も勢いは全く衰えていない。特に加齢臭対策関連のデオドラント製品はその性質上、若者だけでなく30代から40代からも強い関心が向けられている。これまで商品を家族と共用していたファミリーユースや中高年層が、独自のニーズにマッチした製品に切り替えていく流れが強まっている。今やこれらの加齢臭対策商品はサラリーマンの必須アイテムとなっているのだ。
また、体臭には健康状態も反映されている。動物性タンパク質を必要以上に多く摂取している人や、飲酒、喫煙といった習慣のある人も皮脂の酸化が進み加齢臭が強くなりやすい。更には動脈硬化や糖尿病が原因となって、体臭が強くなることも医学的に分かっている。海藻類や緑黄色野菜などを多めにとることにより、臭いだけでなくその元となる健康状態を改善することが重要だと言えよう。今後はコスメティックスによる臭い予防だけではなく、体臭改善を売り文句にした健康食品やサプリメントも続々と発売されることが予測される。
服装や髪型など、外見的な要素ではない加齢臭に対しては、ついついケアを怠ってしまう人も多い。しかし、どれだけ見た目を小奇麗にまとめていてもプーンと加齢臭を漂わせているのでは全てが台無しだ。「人は見た目が九割」とも言われるがそれすら引っくり返してしまうほどの威力が臭いにはある。女性が男性に求める要素でも「清潔感」は常にトップだ。自分はまだ若いから大丈夫、などと思わずに自分の臭いには常に敏感であるべきだろう。(編集担当:久保田雄城)