匂いによるハラスメント、通称「スメハラ被害」約8割

2014年04月13日 20:39

 ハラスメントとは嫌がらせのことであるが、権力を傘に部下に嫌がらせを行う、「パワーハラスメント(パワハラ)」。性的な嫌がらせを行う「セクシャル・ハラスメント(セクハラ)」など様々な種類がある。目下、新しい概念がささやかれている。スメルハラスメント(スメハラ)だ。

 スメハラとは、体臭や汗の臭い等によって周囲に不快感を与えるいやがらせとのこと。

 調査は、セーレン株式会社が20代から40代の社会人女性各130名と、20代から50代の男性社会人1010名の計500人を対象に行ったもの。

 「職場で異性の体臭や汗のニオイに不満を持ったことがありますか」の問いに対し、「ある」と答えた人が43.8%、「少しある」が33.8%、「ない」が22.4%。8割弱の人が、異性のニオイに対し不満を持っていることが明らかになった。中でも、女性は全世代すべてにおいて8割以上が職場での異性のニオイに不満を訴えており、男性よりも女性のほうが「スメハラ」被害を感じやすいことが明らかになった。

 夏場や運動後などには誰しも体臭が気になるもの。制汗剤等を用いて体臭対策を行っている人も多いかもしれない。しかし、その対策もまた不満の原因にもなりうるのだという。

 「職場の異性のニオイ対策に不満を持ったことがありますか」の問いに対し、「対策の内容に不満を持ったことがある」と答えたのは23.8%、「対策の不足に不満を持ったことがある」が44.2%となっており、7割弱の人が、ニオイ対策の内容またはその不足に不満を持っていることが明らかになった。一方、「まったく不満を持ったことがない」と答えたのは32%にとどまった。

 「体臭・汗のニオイ対策で不快に感じた際に相手にそれを伝えますか、我慢しますか」の問いに対して、「我慢する」が34.4%、「どちらかと言えば我慢する」が47.8%となっており、8割以上の人が、我慢していることがわかった。一方、「どちらかと言えば伝える」は14.6%、「伝える」はわずか3.2%にとどまった。

 スメハラが蔓延する理由の一つとして、自分で気づかないことがあげられるがその理由はやはり、他人から指摘されにくいことがあげられるようだ。スメハラは、他のハラスメントと違い、本人に悪意がないため気づきにくいのが最大の特徴だ。気温が上がるこれからの季節、対策を行えばそれで充分と思いこまないように気をつけたいものだ。(編集担当:堺不二子)