ショッピングセンター(SC)は、「ショッピングのついでにイベントなどを利用する場所」ではなく、「ついでにショッピングをする場所」だった。
株式会社ドゥ・ハウスは全国の20歳以上の男女に「ショッピングセンター」に関するWEBアンケートを実施。875名から回答を得た。食品、アパレル、飲食店、娯楽施設等々、複数のテナントが入っているSCを、生活者は普段どのように利用しているのか、実態を探った。
それによると、SCの利用経験は、全体で88.1%を占め、性別・年代問わず8割以上が利用していた。また、SCの形態別にみると、「郊外型の複合施設」が全体では90.9%、いずれの属性においても9割に達し、「駅ビル」が51.4%、「駅前や駅近隣の施設」が38.1%と続いた。「駅ビル」については、男性が約4割なのに対し、女性が約6割と、利用率が高い傾向にあるとしている。
また、各SCの形態別利用頻度は、いずれも「月に1回以上」利用している人が全体の4割強を占めている。SCに行く際に、誰が行くことを決めるかを尋ねると、「駅ビル」「駅前や駅近隣の施設」においては、男女とも「自分が決める」が過半数となった。一方「郊外型の複合施設」では「自分が決める」は女性が64.0%に対し、男性は42.7%にとどまり、「恋人・配偶者」が51.1%を占めることから、車で出かける「郊外型の複合施設」は、女性が「行こう」と男性にはたらきかけて、来店していると推測した。
SCへ行こうと思ったきっかけは、各形態とも「衣料品を買うため」が最も高く、特に「郊外型の複合施設」では、6割強となった。ファッション・アパレルへの関心が高い女性が来店を促していると考えられるという。
それに対して、実際に利用した店舗では、「アパレル・ファッションショップ(40.4%)」よりも、「食料品(61.3%)」が高くなっている。また、「レストラン・フードコートでの食事」は、きっかけとしては3割弱であるものの、実利用では約4割を超えた。
具体的な利用シーンでは、「雨の日の時間つぶしに旦那さんとブラブラしに行くことが多い(37歳女性)」、「一人でウィンドウショッピングをすることが多い(26歳男性)」といったように、これといった目的のないウィンドウショッピングでの利用や「休日に友達とランチを兼ねてショッピング(44歳女性)」など、人と「会う場所」としての利用、「奥さんと天気の良い日に気分転換と散歩を兼ねて(66歳男性)」など、「気分転換・リフレッシュ」としての利用が目立った。お目当てのショップや商品、イベントでの利用、という声は少なくなっている。
これらのことから、SCは、買い物(ショッピング)のついでにイベントや周囲の施設を利用するというよりも、「ついでに買い物をする場所」として利用されているという。ただ、「買い物をする」心構えはできており、購買意欲をくすぐる雰囲気づくりが重要となってくると予想した。(編集担当:慶尾六郎)