パソコンや携帯から簡単に買い物や様々な手続きができる時代になった。もはや、お店に足を運んでの買い物というのはほとんどなくなった。富士経済の調査によると、2013年の通信販売(物販)の国内市場は、前年比7.8%増の7兆973億円になる見込みで、インターネット通販、モバイル通販、小売拠点型通販の合計は、市場の7割を占める勢いだという。
富士通経済がまとめた報告書「通販・e-コマースビジネスの実態と今後 2013-14 市場編」によると、スマートフォンの普及拡大と参入企業の対応が進んだことでモバイル通販が大幅に伸長した。通販形態別に調査しており、コンビニエンスストア拠点型とネットスーパーを対象とした小売拠点型通販は、実店舗との相互送客により利用者の獲得が進み市場は拡大。注文商品や配送時期などの自由度の高さなどが要因となり前年比14.9%増の1443億円になる見込み。
インターネット上のホームページまたは、タブレット向けサイト/アプリがツールとなる通販を対象とするインターネット通販は、仮想ショッピングモールが中心となり、市場の50%以上を占めている。抵抗があった50代以上の消費者が、タブレットを利用してインターネット通販を開始するケースもみられ、市場拡大に寄与している。カタログ/テレビ通販や店舗販売からの需要シフト、取扱商品の増加により、今後も拡大するという。市場は前年比6.8%増の4兆260億円と予測した。
モバイル通販は、前年比28.2%増の1兆2121億円となった。参入各企業が通販サイトのスマートフォンへの最適化やショッピングアプリの配信を進め、ユーザビリティの向上や販促面でのテコ入れが集中して行われたことで、市場が拡大している。特にアパレル通販では、10~20代やパソコンを利用しない主婦層を中心に好調で、2013年には市場の2割を占める見込みであるとした。
この報告書では、これらの合計で市場の7割を占めるとしており、今後も、ますます以上は拡大すると結論している。インターネット通販は実店舗不要で、開業・運営コストがかからないため、誰でも簡単に開業できる。購買者にとってもどこでも簡単にショッピングができる。また、これまでは、年配者はパソコンや携帯などを嫌がっていたが、今では積極的に活用する傾向にある。このため、富士通経済の予想通り、今後もますます市場は拡大するだろう。もっとも、通販は実際に多数の商品を見て、選ぶという楽しみがない。つまり、実ショッピングの楽しみがなく、ただ、目的の商品やサービスを購入だけだ。楽しさより、利便性が重視される時代なのだろうか。(編集担当:慶尾六郎)