なぜ沖縄にはエステサロンが断トツで多いのか

2014年05月05日 17:32

 ダイエットに脱毛、美白にアンチエイジングと、女性たちの欲望に応えてきたエステサロン。リーマン・ショック後は市場が冷え込んだが、ここ1~2年は「格安脱毛チェーン」の台頭やアンチエイジングブームで盛り返している。そんなエステサロンの人口あたり店舗数が最も多いのは、東京でも大阪でもなく、沖縄県だ。

 NTTタウンページ株式会社によると、人口10万人あたりの「エステティック」の登録件数のトップは沖縄県で、26.97件。次いで富山県(23.48件)、長野県(22.23件)の順となっている。沖縄は2005年から11年間、不動の1位だ。同県への観光客数は毎年のように増えており、エステやスパサービスを取り入れたリゾート開発や宿泊施設、パッケージツアーなどが人気を博している。観光客を取り込もうと、エステサロンが増えてきた側面もあるようだ。

 沖縄のエステサロンが主に女性観光客向けであることは、総務省の家計調査からも分かる。エステへの支出(「その他の理美容代」)の全国平均は、12年の時点で年間1万5417円。那覇市民の支出はその半分にとどまり、全国で最も少ない部類だ。沖縄の女性たちはそれほどエステ通いに関心がなく、むしろエステサロンで働くケースの方が多いのだろう。絶え間なくリゾート開発が進む同県では、観光客向けのエステサロンやスパが雇用の受け皿になっている。

 日本全国で最もエステにお金をかけているのは、大都市圏ではなく中部地方の女性たちだ。12年度、エステへの支出が最も多かったのは岐阜市(2万6129円)、次いで浜松市(2万4679円)、静岡市(2万2968円)。東京都区部や福岡市なども全国平均を上回るが、いずれも中部地方の支出高にはかなわない。人口10万人あたりのサロン件数をみても、2位は富山、3位が長野、4位石川、5位福井、6位以降も愛知や静岡など、中部地方の各県に集中している。中部の女性はエステ好きと言えそうだ。(編集担当:北条かや)