東京商工リサーチの調べで全国の第3セクター6023法人のうち、4.9%にあたる297法人が債務超過に陥っていることが分かった。債務超過額は2178億円になる。同リサーチでは「財政悪化に苦しむ地方自治体にとって抜本的処理が早急な課題に浮上している」と指摘している。
業種別では「レジャー施設の運営」が57件(構成比19.1%)で最も多い。「開発公社」「振興公社」「観光開発」などの3セクが目立ち、事業規模が小さいことから個々の債務超過額は少ないものの、地域が全国に分散しているとしている。
次いで「農畜産物の販売(水産関連含む)」50件(同16.8%)で食肉関連が目立つ。「温泉施設の運営」も28件(同9.4%)あった。
「レジャー施設」と「温泉施設」の運営を合計すると、3セク全体の約3割を占めるが、3セクの倒産はレジャー関連施設が多く、債務超過法人の数と合致する結果となった。これについて同リサーチでは「レジャー関連は地域おこしを御旗にするが、ノウハウが乏しいまま安易に発足したケースも多いとみられる」ためとみている。
一方、「鉄道及び他の交通事業」(24件)では個別の債務超過額が大きいものの「利便性、公益性に対し採算性の二律背反が命題になりかねず評価は難しいのが実情だ」としている。(編集担当:森高龍二)