一般社団法人日本フードサービスは26日、「データからみる外食産業 [2014年4月概況」を発表した。
これによると、4月から消費税が増税となったが、外食需要は堅調を維持、外食売上高は102.3%と前年を上回った(税抜比較)。一部の商業施設立地の店舗では、消費税増税前の駆け込み買いの反動で月初に客足が減少したところも見られたが、全体の売上、客単価はともに3月を上回る昨対比率(対前年度比率)となった。
新商品の投入やメニュー改定、クーポン配布、各種キャンペーンなど、増税をにらんだ各社の取り組みにより、消費税増税の影響は軽微であったことがうかがえるとした。
業態別では、ファーストフード業態は、全体売上は100.9%と前年を上回った。洋風は、多彩な新商品の導入が奏功した店もあったが、店舗数が減少する中、客数は95.2%となり売上も前年を下回った。一方、和風は、主力メニューの値下げで客数が大きく伸びた前年の反動で客数は前年を下回ったが、客単価の伸びが売上高を押し上げた。
麺類は、クーポン配布、出店増などで売上が堅調に推移。持ち帰り米飯・回転寿司は、店舗数減を反映して客数は減少したが、売上はわずかに前年を下回る程度。その他は、メディア露出や主力商品の好調などにより、客数、売上ともに飛躍的に伸びたとしている。
ファミリーレストラン業態は、FR業態の売上は105.0%、12カ月連続して前年を上回っている。引き続き好調な高付加価値メニューに加え、その他のメニューの高付加価値化への取り組みが奏功し、客単価、客数ともに堅調。全ての業種で売上、客数、客単価が前年を上回ったとした。
パブ・居酒屋業態は、首都圏などでは花見のピークが4月にずれ込んだことなどから、3月に比べると昨対比率は改善した。しかし、売上は98.7%と前年を下回った。ただしパブ・ビアホールの売上は104.2%と順調に推移した。
ディナーレストラン業態は、既存店の売上増、新店の好調、メニュー改定による客単価上昇など、店舗により要因はまちまちだが、売上は104.4%と順調に推移したとしている。
喫茶業態は、増税前の駆け込み需要の反動で、商業施設立地の一部店舗では集客に苦労したが、季節メニューの投入などで売上は前年を上回ったという。
外食業界は消費税の増税の影響が懸念された業界の一つ。懐が寂しくなれば、まず、「外食をひかえよう」となる。しかし、新メニューや付加価値の創出で乗り切ったようだ。(編集担当:慶尾六郎)