豚流行性下痢の影響を受け、丸大食品も値上げへ

2014年06月09日 08:02

 アメリカで発生した豚流行性下痢(PED)の影響が、海を越えて日本にまで及んでいる。といってもそれは、伝染病そのものの流入だけを差してそう言っているわけではない。この、子豚が伝染すると高確率で死亡に至る豚流行性下痢の影響を受けて、ハムやソーセージなどの豚肉を原材料とする加工食品の価格が値上がりしているのだ。

 すでに伊藤ハム<2284>や日本ハム<2282>などの大手メーカーがそれらの加工食品の値上げを発表しているが、今回新たに丸大食品<2288>もハム・ソーセージなどの加工食品を値上げするとの発表を行った。6日、丸大食品はアメリカで発生した豚流行下痢の影響により原材料の豚肉の価格が高騰したことを理由に、ハム・ソーセージなどの加工食品134品目を平均約10%値上げすると発表。値上げは、8月1日から実施される。

 値上げ予定の商品のうちスーパーなどに出荷されている主力商品、「燻製屋熟成ウインナー」「いつも新鮮ロースハム」「チキンナゲット」といった商品については、内容量を5~15%減らし、実質的な値上げを行う。こうして内容量が減らされる商品は、全体の約6~7割程度。それ以外の商品については、納品金額が引き上げられる。

 伊藤ハムや日本ハムといった大手メーカーもすでに値上げを決定しており、これらのメーカーは7月1日より10%の値上げを行うとの発表を行っている。

 アメリカでは1年前に豚流行性下痢が発生して以来、国内で飼育している1割にあたり700万頭が死亡している。こうしたことが豚肉の価格高騰に深刻な影響をもたらしている。

 今回の値上げについて丸大食品は、「今後も価格高騰は続くと見込まれる。企業努力を重ねてきたが、コスト上昇分の吸収が困難な状況となったため、やむを得ず価格を改定した」としている。

 4月に消費税が増税されたことにより家計が圧迫され悲鳴を上げている人も少なくないなか、今回の一連の加工食品の値上げは、そうした悲鳴をさらに高める結果となりそうだ。(編集担当:滝川幸平)