閣議決定案を協議する段階にない 井上幹事長

2014年06月14日 17:35

 安保法制整備に関する与党(自・公)協議で、高村正彦自民党副総裁が憲法9条の下で認められるとする武力行使の3要件の案を示したことについて、公明党の井上義久幹事長は13日、「これまでの政府の憲法解釈の積み重ねがあるので、その憲法解釈と論理的な整合性がとれているのか、また、法的安定性が確保されるのか、また、武力行使の基準として、これが本当に基準になり得るのか、そうした観点からしっかり精査していく」と党内で精査する考えを示した。

 案は(1)我が国に対する武力攻撃が発生したこと、または、他国に対する武力攻撃が発生し、これにより、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される恐れがあること。(2)これを排除し、国民の権利を守るために他に適当な手段がないこと。(3)必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと。この3つの要件に該当する場合に限られると解する、としている。

 井上幹事長は「我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される恐れがある場合には武力行使ができるとの考えだが、(他国に対する武力攻撃が発生しての場合による)それが集団的自衛権にあたるのかどうかも含めて、よく精査しなければいけない」とした。

 また「根底から覆される恐れ」という概念についても、解釈する側に幅広い裁量がでてくる問題をはらんでいることから「恐れ(という基準)についても、よく精査してみたい」とした。

 また、井上幹事長は「閣議決定の案を協議するような段階にまだ入っていないというのが、われわれの認識だ」とも語り、閣議決定を20日にも行いたい意向の総理や自民をけん制した。

 そのうえで井上幹事長は「安保法制の議論なので、できるだけ幅広い国民的なコンセンサスが必要だし、丁寧な、精緻な議論を重ねていきたい」とし、時間をかけ議論していくことが大事とした。(編集担当:森高龍二)