日経平均で利益を狙う 人気のブル・ベア投信とは

2014年06月23日 12:14

 アベノミクスやNISA制度開始などの影響もあり、ここ数年日経平均株価は大幅に上昇。株式市場は大賑わいだ。特にネット証券に口座を開設する新規参入者は多く、若年層を中心に毎月約1万件も既設口座数が伸びている。個人投資家が取引できる金融商品も一昔前からすると大幅に増え、個別企業の株式はもちろん、投資信託、債券、為替、デリバティブ商品と多種多様である。そんな中、最近特に人気があるのが日経平均株価を対象としたブル・ベア投資信託(ブル・ベア投信)と呼ばれるものだ。

 ブルとは雄牛が角を突き上げる姿から、相場の上昇を意味する単語である。逆にベアは熊が爪を振り下ろす動きに由来し、相場の下落を意味している。つまりブル・ベア投信とは日経平均株価の動きに連動しその価格が上下する投信のことであり、日経平均株価が今後上昇すると思えばブルを、下落すると思えばベアを購入すれば良いということになる。

 ブル・ベア投信が人気なのは、狙うことの出来るリターンの大きさにある。特にダブルやトリプルといったタイプはその名の通り日経平均株価の値動きの2倍から3倍の収益を狙うことができる投信だ。もちろんイメージとは逆に日経平均が動けば、それだけマイナスとなるため注意が必要だ。これらダブルやトリプルといった投信は先物やオプションなどのデリバティブ商品を活用し運用されている。個人でこのようなデリバティブ商品を直接売買するのはかなりハイリスクだが、ブル・ベア投信を使うことによって個人でもリスクを限定した形で取引できるというわけだ。

 また、ベアは保持している株式のヘッジにも利用できる。個別では値上がりすると見込める企業の株でも、相場全体が下落してしまうような状況ではやはり利益を得ることは難しい。だが、そのような場合でも同時にベアタイプの投信を購入しておけば、株式の下落による損失分をある程度補填できるというわけだ。

 ブル・ベア投信を取り扱うネット証券はどんどん増加しており、日経平均だけではなく、TOPIX(東証株価指数)を対象としたタイプも販売されている。今後は手数料の値下げも期待したいところだ。(編集担当:久保田雄城)