17日のNYダウは27ドル高で3日続伸。NASDAQは16ポイント上昇。NY原油先物は続落、NY金先物は下落で少し落ち着く。5月の消費者物価指数(CPI)は4月から0.4%アップで1年3カ月ぶりの上昇幅。しかし住宅着工件数は市場予想を下回り、強弱材料入り交じる小幅高。ゼロ金利継続か、早期利上げかと金利動向への思惑が交錯しながらもFOMC結果発表前の様子見ムードに支配された。金融株は堅調だがエネルギー関連は軟調。18日朝方の為替レートはドル円が102円台前半、ユーロ円が138円台前半で、前日夕方よりも円安が進んでいた。
取引時間前発表の5月の貿易赤字は9090億円で23ヵ月連続赤字だったが、1兆円を超える市場予測よりは少なかった。シカゴCME先物清算値は15005円。日経平均は33.92円高の15009.89円と大台回復で始まる。TOPIXは1240台に乗せる。大台割れしてもわずかな時間で、すぐに15040円近辺まで棒上げ。その後の午前9時台は徐々に水準を切り下げ、吹き流しのような「フラッグ型チャート」で15010円付近まで下げる。10時台は少し戻しておおむね14020~14040円のボックス内で変動する。上海や香港がマイナスで始まっても反応薄。FOMC結果待ちで上にも下にも動けないようで、10時50分から14040円台に上がってもさらに動かなくなり、前引は15039円だった。
後場は円安が進み、TOPIXにも日経225にも先物買いが入り一段高の14080円台で始まる。上下動しながら午後1時台は徐々に上昇して15100円を突破し、1時52分に15131円まで上昇する。その後も15100円台はキープ。2時30分に発表された5月の全国百貨店売上高は既存店ベースで全国が4.2%減、東京地区が4.3%減だったが、高額商品の反動減からの回復には時間がかかるので想定の範囲内。終盤上昇して2時52分に12139円まで上がるが、大引けにかけて下押しされて終値は139.83円高の15115.80円。騰落が9日から○●○●○●○のパンダ模様で、順番なら「下落の日」に逆らって3ケタ上昇して終えた。日中値幅は後場144円に拡大。TOPIXは一時1250にタッチして+10.95の1249.15だった。売買高は18億株、売買代金は1兆7971億円で、まだまだ薄商い。
上昇銘柄は1273で全体の70%を占める全面高で、下落銘柄は410。プラスは30業種でマイナスは3業種だった。プラス上位業種は証券、精密機器、銀行、その他製品、電気機器、倉庫など。プラス下位業種は保険、金属製品、鉱業など。マイナス業種は海運、ゴム製品、食料品だった。
日経平均採用225種の値上がりは175銘柄、値下がりは42銘柄。プラス寄与度1位はファナック<6954>で+18円、2位はソフトバンク<9984>で+14円。マイナス寄与度1位はデンソー<6902>、2位はニコン<7731>で、ともに-1円だった。
G20が国際的に活動する巨大な金融機関に補助的な自己資本の導入を義務付ける検討に入ったと日経新聞が報じた。債権者に損失を負わせながら破綻処理する方針へ転換し、破綻時の税金投入を減らす。しかし対象になる見込みのみずほ<8411>は2円高、三菱UFJ<8306>は10円高、三井住友FG<8316>は39円高と見直し買いが入った。海外業務に再進出し対象になる可能性があるりそなHD<8308>も15円高。証券セクターは業種別騰落率トップで、野村HD<8604>は16円高、大和証券G<8601>は17円高、松井証券<8628>は4円高だった。
今期の自動車大手7社の研究開発投資が2.4兆円で過去最高というニュース。燃費改善や次世代エコカーのような「環境」、自動運転車のような「安全」さらに「IT」などテーマは盛りだくさん。トヨタ<7203>は62円高、日産<7201>は8円高、ホンダ<7267>は23円高、富士重工<7270>は27円高、マツダ<7261>は13円高、三菱自動車<7211>は8円高、スズキ<7269>は71円高で年初来高値更新と、7社は全て上昇した。
電機大手で3.36%の大幅上昇だったのがパナソニック<6752>で、売買代金9位で40円高。「ロボットがらみの上昇」と言われたがソニー<6758>は7円高どまり。ロボットが遊び相手のイヌだった時代は遠い昔で、今は介護現場でバリバリ働く。東芝<6502>は1円高、日立<6501>は3円安。電子部品の東光<6801>は、スマホ向けに従来品よりも電力損失約30%減の電源回路用インダクターの新製品を発売すると報じられ37円高で値上がり率2位。「スマホの電池はすぐ減る」は過去の話になるか? iPhone用コネクタを供給する日本航空電子工業<6807>は56円高で上場来高値を更新した。