【日経平均】15000円台はただタッチしただけの42円高

2014年06月17日 20:14

 16日のNYダウは5.27ドル高。NASDAQは10ポイント高だった。NY連銀製造業景気指数は4年ぶりの高水準でNAHB住宅市場指数とともに市場予測を上回り、5月の鉱工業生産は4月から0.6%増加するなど経済指標は堅調。M&Aも新たに半導体のサンディスクのフュージョン・アイオー買収、通信のレベル3コミュニケーションのTWテレコム買収などが加わったが、緊迫続くイラク情勢が足を引っ張りアップダウンの末、小幅高で終えた。FRBのフィッシャー副議長、ブレイナード理事(前財務次官)が就任宣誓を行い、17~18日のFOMCに初参加。17日朝方の為替レートはドル円が101円後半、ユーロ円が138円台前半で、ロシアのガスプロムがウクライナへのガス供給を停止してもユーロは値を戻していた。

 イラク情勢は過激派勢力が北部支配を拡大し政府軍との戦闘激化。NY金先物は続伸したが原油先物は小幅反落した。シカゴCME先物清算値は14940円。日経平均は29.70円高の14962.99円で始まる。TOPIXもプラススタート。為替のドル円が8時台から円安方向に動いていたので午前9時10分に15000円の大台を回復し、9時12分に15022円まで上昇する。TOPIXも1240にタッチした。9時台の後半は大台を割り込んで推移するが、10時台は円安の後押しを受け大台に何度もタッチしながら水準を徐々に上げ10時59分に15026円まで上昇。ドル円は102円台に乗せた。11時台は逆に徐々に下がりながらも大台はキープし、前引は15008円だった。

 後場は再開後すぐに大台割れし、14960円も割り込んだが一時的で、大台に届かないまま14980~14999円の範囲の値動きが続く。午後1時発表の5月の首都圏マンション発売動向は13%減で4ヵ月連続のマイナス。後場はドル円が102円を再び割って円高に振れる。日経平均はNYダウ同様、イラク情勢の行方の見守り、FOMC前の様子見で上値が重い。2時台に入ると15000円にタッチするが、そこから逆に14970円付近まで下落。大引け前に少し動き42.68円高の14975.97円で終えた。日中値幅は78円。TOPIXは+3.52の1238.20。株価指数は前週からプラスとマイナスが交互にきれいに並ぶ。売買高は16億株、売買代金は1兆7575億円だった。

 上昇銘柄数は全体の67%の1219、下落銘柄数は488。上昇22業種、下落11業種で、プラス上位は水産・農林、電気・ガス、化学工業、その他製品、卸売、不動産など。マイナス下位は海運、鉱業、パルプ・紙、保険、その他金融、石油・石炭などだった。

 日経平均採用225種は値上がり131銘柄、値下がり83銘柄。プラス寄与度1位はファナック<6954>で+8円、2位は三井不動産<8801>で+5円。マイナス寄与度1位はソフトバンク<9984>で-22円、2位はアステラス製薬<4503>で-3円だった。

 メガバンク3行は全てマイナス。地方銀行の優等生、静岡銀行<8355>は上限1000万株、120億円の自社株買い実施計画を発表し35円高。野村HD<8604>は4円高、大和証券G<8601>は6円高だった。トヨタ<7203>は株主総会開催日だったが1円安。日産<7201>はテスラ・モーターズがBMWとともに充電技術の世界標準化を協議中と伝わったが1円安、ホンダ<7267>は20円高。いすゞ<7202>はユーグレナ<2931>との共同プロジェクトを25日に発表するという話がひろまった。ディーゼル代替のミドリムシ由来バイオ燃料の開発とみられるが詳細はまだ不明。いすゞは2円高、ユーグレナはストップ高の300円高だった。

 パナソニック<6752>は介護関連事業の規模を倍増させ2019年3月期に売上500億円を目指すと報じられ10円高。しかしソニー<6758>は11円安、シャープ<6753>は1円安、東芝<6502>は2円安。ITサービスの営業利益が2ケタ増というニュースがあった3社はNEC<6701>2円安、富士通<6702>17円安、日立<6501>6円安で、電機大手は小幅安が並んだ。コニカミノルタ<4902>はJPモルガンがレーティングを引き上げ54円高で値上がり率8位。NTT<9432>は54円高。ソフトバンクは子会社スプリントの黒字化でアメリカ事業の営業利益が1000億円の黒字に改善と報じられたが、一方で中国子会社のアリババの増収率鈍化がブレーキになり190円安と続落した。

 営業活動と投資活動のキャッシュフロー(CF)を合計した「純現金収支(フリーCF)」が今期、4年ぶりに黒字化するリョービ<5851>は15円高。リーマンショックで受けた財務の傷がアベノミクスで治っていく。三菱重工<7011>は前日、アルストムとの共同提案の内容を明らかに。蒸気タービン、送配電事業などエネルギー部門で合弁会社を3社設立し、アルストム本社にも出資する内容で、売買高8位、売買代金12位に入ったが9円安だった。オカモト<5122>は100万株、約4億円上限の自社株買いを発表し11円高。前日に続いて大人気の日本新薬<4516>は224円高で値上がり率2位。江崎グリコ<2206>は東京・大田区の東京工場跡地を売却して今期119億円の特別利益を計上する見込みで18円高になった。