5月の消費者物価指数3.4%増。32年ぶりの高水準

2014年06月30日 08:27

 依然として消費税増税の反動減の影響が続いているものの、それでもその影響は徐々に収まりつつあり、日本経済はわずかながらであるにせよ、再び回復への歩みを進め始めたかに思われる。そうした景気回復の一端を示す指標として、消費者物価指数というものがある。小売価格の変動を示したのがこの指数であるのだが、27日、総務省が5月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除いたコアCPI)を発表した。それによれば、指数の上昇率がおおよそ32年ぶりの高水準となったことが分かった。

 27日、総務省が発表した、価格変動の激しい生鮮食品を除く5月の全国消費者指数(2010年=100)は前年同月比3.4%アップの103.4という結果であり、1982年4月の前年同月比3.5%アップ以来、32年1ヶ月ぶりの高い上昇率となった。

 こうして指数が上昇するのは12ヶ月連続のことで、内訳を見てみると、ルームエアコンが前年同月比19.4%アップ、ノートパソコンが前年同月比15.5%アップ、洗濯機が前年同月比21.7%アップとそれぞれ指数の前年同月比上昇に寄与した。また宿泊料や外食などもプラスとなり、上昇に影響をもたらした。そのほか、旧税率を適用する経過措置が4月で終了し5月から増税分が上乗せされたことから、電気料金が前年同月比11.4%アップ、都市ガスが前年同月比8.9%アップ、プロパンガスが前年同月比8.1%アップ、上下水道が前年同月比3.6%アップと、公共料金がそれぞれ上昇した。また、ウクライナの情勢緊迫化に伴いガソリンの価格が値上がりしたことも、こうした公共料金の上昇に影響した。

 ただ、日本銀行の試算によれば、消費税増税分が全国消費者物価指数に与える影響は2%程度とされており、これを今回の結果に当てはめてみると、消費税増税分を除いた上昇率は1.4%程度となり、4月の1.5%と比べるとその上昇率はやや縮小した。

 また、全国の先行指標とされている東京都区部の6月中旬の速報値は、生鮮食品を除き前年同月比2.8%アップの102.0という結果であり、その上昇率は4月と横ばいであった。(編集担当:滝川幸平)