現代では“夏痩せ”ならぬ“夏太り”する人が増えているようだ。オールアバウトが運営する「生活トレンド研究所」によれば、成人男女の4人に1人が夏太りを経験している。食欲がないことを理由にそうめんやパン、おにぎりなどの炭水化物を単品だけ食べるといった行動が、夏特有の“栄養失調太り”やそこから来る体調不良につながるようだ。
首都圏在住の 20~59 歳でフルタイム勤務の男女 877 名に、昨夏の体重の変化を聞いたところ、25.1%が「増加した」(「増加した」、「やや増加した」合計)と回答。「減少した」人と比べると、8.7 ポイントも高いことがわかった。また、例年の夏についても、「増加した」人は 21.4%と、「減少した」人よりも 7.3 ポイント多い結果となった。
一般的に、気温が高くなる夏は食欲が低下するといった”夏バテ”の影響で体重が減少する、いわゆる「夏やせ」してしまうと思われがちだが、実際に体重の増減を見ると、「増加した」、つまり「夏太り」している人のほうが多いようだ。
さらに、「夏の食生活の傾向」について、昨年の夏太った人と、体重が変わっていない又はやせた人とに分けて見てみると、夏太りをした人は「サンドイッチや菓子パンなどパン類を食べる」、「そうめんや冷麺など、麺類を食べる」、「アイス屋かき氷、ゼリーなどを食べる」などの食事行動が、夏太りしない人と比べて10ポイント前後多いことも分かった。
All About「食事ダイエット」ガイドの浅尾貴子氏は、「夏は食欲が落ちることを言い訳に、麺類、サンドイッチや菓子パン、おにぎりなどといった“炭水化物単品食べ”をしてしまいがち。炭水化物や脂質をエネルギーとして使い切るにはビタミンB群が必要になるため、“炭水化物単品食べ”が続くと身体がだるくなったり、体脂肪や体重が増えてしまうという”栄養失調太り”になってしまいやすくなります」と解説している。
調査ではさらに“栄養失調太り”の疑いがある人は、「食欲不振」、「寝つきの悪さ」、「睡眠が浅い・熟睡感がない」、「やる気がでない」、「肩こり」、「むくみ」といった症状が強い傾向にあることも明らかにしている。
夏の体の不調や、将来的にメタボになる危険性もある”夏の栄養失調”は、きちんと食べているつもりでも、栄養のバランスが取れていないため起こるもの。浅尾氏によると、これを防ぐためには、炭水化物の単品食べをやめて、おかずや野菜を一緒に摂ることだという。例えばコンビニのおにぎりやそうめんに加えて、大豆製品や卵、魚系缶詰をプラスするだけでも違うとのこと。アドバイスを取り入れて上手に食生活をコントロールし、暑い夏を快適に乗り切りたいものだ。(編集担当:横井楓)