キリンビバレッジの「メッツコーラ」に、サントリーの伊右衛門「特茶」。ここ2年ほど、トクホ飲料のヒットが続いている。メッツコーラも特茶も、発売後わずか2週間で年間目標の100万ケースを突破するなど、06年の「黒烏龍茶」以来のヒットとなった。
こうした商品の効果もあり、縮小が続いていた「トクホ市場」の売上が回復しつつある。公益財団法人 日本健康・栄養食品協会によると、13年のトクホ市場は6275億円。ピーク時の07年(6798億円)には及ばなかったものの、09~11年の前回調査を大幅に上回った。
厚労省が「特定保健用食品(トクホ)制度」を始めたのは、1991年。血圧や血中のコレステロールを正常に保つことを助ける、おなかの調子を整えるなど、体への「特定の効果」が認められた食品に対し、認可マークを付与する制度だ。13年末の時点で、認可された食品は「乳酸菌」「コレステロール」「中性脂肪・体脂肪」「食物繊維」など1095品目にのぼる。
トクホ食品の6割を占めるのは「お腹の調子を整える(整腸)」関連。雪印メグミルクの「ナチュレ 恵」や明治の「ブルガリアヨーグルト」、ヤクルト本社の「ヤクルト」など、いずれもトクホ食品だ。ここ数年はヨーグルトブームの影響もあり、整腸関連のトクホが好調。13年の売上高はピーク時の05年を上回った。
「メッツコーラ」や「特茶」「黒烏龍茶」などの「中性脂肪・体脂肪」カテゴリは、トクホ全体の2割を占める。売上は07年をピークに減少していたが、08年に「メタボ検診」が始まったことでダイエットに関心をもつ人が増加。売上は急速に回復した。
食品の種類別にみると、前回調査から最も伸び率が大きかったのは「清涼飲料水」(24.1%→28.6%)。ここ数年の、トクホ炭酸飲料、お茶ブームを反映した形だ。昨年末にはサントリーから、脂肪の吸収を抑えるコーヒー「ボス グリーン」が発売され話題になった。今後もしばらく、トクホ系飲料のブームは続きそうだ。(編集担当:北条かや)