【日経平均】前日終値付近の小動きが続いて結局15円安

2014年07月16日 20:18

 タマホーム<1419>は5月期の純利益35%減で、今期の純利益も7%減と連続減益では13円安で上場来安値更新。「第3のビール」の酒税を増税し「ビール」を減税する話が出たが、サッポロHD<2501>は3円安、アサヒGHD<2502>は12円安、キリンHD<2503>は5円高。今は第3のビールも大きな収益源なので影響はニュートラルか?

 サマンサタバサ<7829>は3~5月期の営業利益2.9倍を好感され58円高で年初来高値更新。ユニーGHD<8270>は「サークルKサンクス」の売却を検討という一部報道を材料に19円高。コンビニ「3強」に店舗数でも業績でも水をあけられ、昨年は九州の100を超えるFC店がごっそりローソン<2651>にくら替えした出来事もあった。東証2部のサッポロドラッグストア<2786>は東証が7月22日付の第1部指定替えを発表。8月中間期に記念配当5円が出ることもありストップ高比例配分の300円高で年初来高値を更新。ウエルシアHD<3141>は8月31日の株主を対象に1株を2株に分割する株式分割を実施すると発表し130円高で年初来高値を更新していた。

 「かっぱ寿司」のカッパクリエイトHD<7421>は提携した元気寿司<9828>から元気を注入され3~5月期決算の既存店売上高がプラスで経常利益が8.6倍に急拡大。50円高で年初来高値を更新し値上がり率12位。元気寿司は6円高。低価格イタリアンのサイゼリヤ<7581>は9~5月期の売上高が14%増で、純利益が61%の大幅減でも34円高。ドトール・日レスHD<3087>は3~5月期の営業利益が12.4%増で17円高。通期業績見通しは据え置いた。

 44円高で不動産セクターで最も上昇が目立った三菱地所<8802>は、東京・大手町で湧き出した温泉の掘削が完了し、ホテルやフィットネスクラブで利用されると報じられた。オリエンタルランド<4661>は155円高で13連騰。都心の温泉&TDLのコースは訪日観光客に喜ばれそう。建設費が5月は21年ぶりの高水準というニュースがあり、原因は資材高騰と人手不足。しかし求人サイトのディップ<2379>は185円安で値下がり率5位。アデランス<8170>は3~5月期の純利益85%減で51円安。今週は売買が盛り上がる第一生命<8750>はこの日も売買高8位、売買代金4位に入ったが19円安で、保険セクターは業種別最下位に沈んだ。

 大ヒットの「妖怪ウォッチ」第2作のニンテンドー3DS用ソフト「妖怪ウォッチ2・元祖ノ本家」が発売第1週で歴代3位の128万本を売り上げたと「ファミ通」誌が公表。バンダイナムコHD<7832>は7円安だったがハピネット<7552>は41円高。中身だけでなく販売実績も「お化けソフト」になりそう。ゲーム・コンテンツ関連ではKlab<3656>が133円高で年初来高値を更新し値上がり率5位、売買代金11位。新興市場はNASDAQの軟調が影響してふるわず、日経ジャスダック平均は0.16%下落、東証マザーズ指数は1.90%下落。テーマ銘柄物色も一段落していた。前日に東証マザーズに新規上場したイグニス<3689>は0時56分にやっと初値がつき、公開価格1900円に対し約4.4倍の8400円。終値は7900円だった。

 この日の主役は「燃料電池車・水素エネルギー関連」。JXHD<5020>は2018年をメドに水素ステーションを100カ所新設すると報じられ、4~6月期の経常利益9割減でも3円高。岩谷産業<8088>は売買高4位、売買代金2位と買いを集め、22円高で3日続伸し年初来高値更新。三菱化工機<6331>は売買高14位で10円高。水素タンクの中国工業<5974>は41円高で値上がり率10位、パイプの栗本鐵工所<5602>は12円高で年初来高値を更新し値上がり率11位だった。水素ステーション1カ所に設備投資額は約5億円かかるが、現在は政府が約2億円分を補助している。それをほぼ全額補助して燃料電池車のためのインフラ整備を急速に進める構想も政府内で浮上しているという。
(編集担当:寺尾淳)