週明け14日のNYダウは111ドル高で終値で17000ドル台を回復。取引時間中の史上最高値を更新した。NASDAQは24ポイント上昇。シティGの4~6月期決算は純利益大幅減ながら、住宅ローン担保証券の問題で連邦政府に70億ドルの和解金を支払ったと発表し、その特殊要因がなければ1株当たり利益が市場予測を大きく上回る好業績なので株価は3.0%上昇。JPモルガンやゴールドマンサックスなど他の金融株も上昇した。アップルが1.29%上昇したほかモメンタム銘柄は堅調。「マージャー・マンデー」で医薬品やエンジニアリング業界のM&Aが相次ぎマーケットに刺激を与えた。15日朝方の為替レートはドル円101円台半ば、ユーロ円138円台前半で前日より円安方向に振れていた。
シカゴCME先物清算値は15340円。日経平均は57.61円高の15354.43円で始まる。TOPIXも1270台に乗せてスタート。午前9時8分には15400円にタッチ。9時30分を回るとドル円の円安進行を受けて一段高になり、9時39分に15441円まで上昇。4日の終値15437円を上回り、一時的に前週の5連敗の下落分を全て取り戻す。その後は15420~15440円の狭いレンジで推移。上海も香港もプラスで始まってアジア株は全般的に堅調。しかし日経平均は11時前から下落し、15400円を割り込みそうになったが、前引けは15416円だった。
正午すぎに日銀の金融政策決定会合の結果が発表され、金融政策は現状維持。ETFやJ-REITの買入枠増額はなし。展望レポートの中間評価では2015年度の消費者物価指数(CPI)見通しは1.9%を維持したが、2014年度の実質経済成長率見通しは4月から0.1ポイント引き下げて1.0%とした。それに反応したのか後場は再開直後15400円を大きく割り込むが、徐々に値を戻して午後1時頃には15400円台を回復。1時に6月のマンション市場動向が発表され、首都圏の新築戸数は28.3%減で5ヵ月連続マイナス。月間契約率は5.0ポイントを低下して76.6%とふるわなかった。1時台の日経平均は100円高、15400円前後で小動き。2時台はやや振幅をひろげながら大引けとなり、終値は98.34円高の15395.16円で続伸した。日中値幅は95円。TOPIXは+8.22の1273.68。売買高は20億株、売買代金は1兆7419億円だった。
値上がり銘柄は1108で全体の61%を占め、値下がり銘柄は548。32業種が上昇し、下落は1業種のみ。プラス上位はゴム製品、その他金融、不動産、保険、非鉄金属、食料品など。プラス下位は卸売、ガラス・土石、金属製品、空運、陸運など。マイナス業種は石油・石炭だった。
日経平均採用225種は値上がり167銘柄、値下がり35銘柄。プラス寄与度1位はファーストリテイリング<9983>で+11円、2位は孫正義社長が午前中の講演会でロボットの未来を熱く語ったソフトバンク<9984>で+5円。マイナス寄与度1位はファナック<6954>で-5円、2位は協和発酵キリン<4151>で-1円だった。
メガバンクはシティGの実質好決算も好材料にならず、みずほ<8411>1円高、三菱UFJ<8306>6円高、三井住友FG<8316>3円高と小幅高。大和証券G<8601>は8円高だったが野村HD<8604>は2円安と逆行安。ノンバンクのオリックス<8591>はUBSが目標株価を引き上げて45円高。アイフル<8515>は46円高で値上がり率10位と息を吹き返し、売買高、売買代金の2冠王を占めた。
自動車大手は、南アフリカの工場の生産の一部を停止したトヨタ<7203>は大引け直前の急落で2円高どまり。ホンダ<7267>は50円高。ホンダ系シートメーカーのTSテック<7313>は4~6月期の営業利益が2割減という業績観測記事が出て45円安だった。ブリヂストン<5108>は126円の大幅高で売買代金12位に入り、ゴム製品セクターは業種別騰落率トップになった。電機大手では東芝<6502>が11円高で売買高9位、売買代金14位と買われ、日立<6501>も11円高。NEC<6701>は大和証券が目標株価を引き上げ6円高で年初来高値を更新し売買高10位。しかしソニー<6758>は6円安と逆行安だった。
パナソニック<6752>は人材派遣業第6位の関連会社パナソニックエクセルスタッフを今期中に売却すると報じられリストラ評価で1円高。人材派遣業界には業界再編の呼び水になる可能性があり、フルキャストHD<4848>が22円高、アウトソーシング<2427>が68円高になるなど、業界大手の株価が反応していた。