【日経平均】前日終値付近の小動きが続いて結局15円安

2014年07月16日 20:18

 15日のNYダウは5.26ドルの小幅高で3日続伸。NASDAQは24ポイント下落。状況はネコの目のように変わる。JPモルガン・チェースとゴールドマンサックスの市場予測を上回る決算を好感し午前中に取引時間中の史上最高値をマークしたが、議会への半年次報告でFRBがSNS、医薬・バイオなど一部業界の株価は割高と指摘したためマイナスに落ち、イエレンFRB議長が上院での議会証言で雇用回復やインフレ率の改善はまだ不十分で量的緩和終了後もゼロ金利政策を当面維持すると強調するとダウは何とかプラスで終えた。JPモルガンが3.5%、ゴールドマンサックスが1.3%上昇した金融株とは対照的に、SNSのツイッターは1.1%、フェイスブックは1.1%、リンクトインは0.7%、医薬のアムジェンは1.8%それぞれ下落。16日朝方の為替レートはドル円は101円台後半、ユーロ円は138円近辺で、ドル円は少し円安。

 CME先物清算値は15395円。日経平均は25.50円安の15369.66円で始まり、午前9時3分に15355円で底を打つと上昇し、TOPIXを露払いに9時40分すぎにプラスに浮上して15400円台に乗せ、おおむね15400~15410円の狭いレンジでの値動きが続く。上海も香港も続伸スタート。日経平均は10時44分に15423円まで上昇するが、11時前から下落してマイナスまで落ちる。11時に中国の経済指標がまとめて発表され、4~6月期のGDPは+7.5%で市場予測を0.1ポイント上回り、1~6月の小売売上高は12.1%増、1~6月の工業生産は8.8%増でほぼ市場予測並みだったが、物足りないのか上海市場はマイナスに転じた。11時台は前引けにかけて戻しても79銭マイナスの15394.37円で前場を終えた。TOPIXはずっとプラス。通期業績下方修正の影響が尾を引くファーストリテイリング<9983>が日経平均のブレーキになっていた。

 後場も0時台はマイナスに沈むが、ソフトバンク<9984>の上昇に支えられ1時台、2時台はほとんどの時間帯が上限10円高程度のプラス圏小幅高で推移。TOPIXも2ポイント前後の小幅高で動きが乏しい。しかし2時30分すぎからズルズルと下落が始まり、15400円を割り込んでマイナスに落ち、15380円も下回る。TOPIXもお付き合いしてマイナスに。終値は15.86円安の15379.30円で3日ぶりに反落した。日中値幅は68円と小さい。TOPIXは-0.09の1273.59。売買高は18億株、売買代金は1兆6834億円だった。

 値上がり銘柄は721、値下がり銘柄は952で全体の52%を占めた。業種別騰落率は上昇17業種、下落16業種で均衡。プラス上位は電気・ガス、不動産、パルプ・紙、サービス、空運、陸運など。マイナス下位は保険、その他金融、非鉄金属、ゴム製品、水産・農林、鉱業などだった。

 日経平均採用225種は値上がり90銘柄、値下がり119銘柄。プラス寄与度1位はソフトバンクで+7円、2位はアステラス製薬<4503>で+2円。マイナス寄与度1位はファーストリテイリングで-6円、2位はKDDI<9433>で-6円だった。

 メガバンクは高安まちまちでみずほ<8411>値動きなし、三菱UFJ<8306>1円安。7円高の三井住友FG<8316>は住友商事<8053>とともにエアバスなどから航空機を200機程度調達して新興国の格安航空会社(LCC)にリースすると報じられた。住友商事は値動きなし。丸紅建材リース<9763>は29円高で年初来高値を更新し値上がり率3位、興銀リース<8425>も96円高などリース業は設備投資関連として買われたが、リース税制見直しという政策リスクで辛酸をなめた過去もある。証券大手の野村HD<8604>は3円高だった。

 トヨタ<7203>は21円高、ホンダ<7267>は14円高、富士重工<7270>は5円安、日産<7201>は7円高、マツダ<7261>は1円安など自動車大手は高安まちまちだったがスズキ<7269>は26円高と健闘した。電機大手はNEC<6701>値動きなし、ソニー<6758>5円高、パナソニック<6752>7円安などこれも高安まちまち。インテルがNY市場の取引終了後に好調な4~6月期決算を発表し時間外取引で株価が上昇したのを受け日本のインテル関連銘柄は敏感に反応。新光電工<6967>は6円高、SUMCO<3436>は31円高で年初来高値更新、イビデン<4062>は20円高、東芝<6502>は1円高。しかし半導体製造関連大手は東京エレクトロン<8035>46円安、アドバンテスト<6857>11円安と下落していた。

 NSK日本精工<6471>はパワステが好調で、4~6月期の営業利益が46%増で過去最高という業績観測でも20円安。一方、オービック<4684>は4~6月期の経常利益過去最高の業績観測を素直に好感され10円高。川内原発再稼働が原子力規制委員会から正式に「新基準に照らし審査合格」とされ九州電力<9508>は10円高。東京電力<9501>の1円高など電力は軒並み高で、電気・ガスセクターは業種別騰落率トップだった。

 今週おなじみのダイジェット工業<6138>はストップ高の80円高で3日連続値上がり率1位。宮越HD<6620>はストップ高比例配分の80円高で同2位。ともに年初来高値更新。しかし芦森工業<3526>は売買高3位に入るが9円安で値下がり率15位と利益確定売りに押された。春先にSFめいた「網で宇宙ゴミ回収」の話題があった漁網メーカーの日東製網<3524>は15円高で値上がり率6位。魚群探知機の古野電気<6814>は水戸証券が新規に最上位Aのレーティングをつけ34円高で値上がり率15位。電子楽器のローランド<7944>のMBOが成立して62円高で年初来高値更新。10月下旬に上場廃止になる見通し。