【日経平均】NYは史上最高値でも9円安で再び惜敗続き

2014年07月17日 20:17

 16日のNYダウは77ドル高で4営業日続伸し終値ベースの史上最高値更新。NASDAQ総合指数は9ポイント上昇した。イエレンFRB議長は下院で議会証言を行ったが中身は上院と同じ。この日はエンタメ業界でルパート・マードック氏率いる21世紀フォックス(20世紀フォックスはその子会社)がタイムワーナーに約800億ドルで買収を提案という報道が流れた。タイム・ワーナーは拒否したがM&Aは話だけでもマーケットが活気づく。21世紀フォックスは6.2%下落、タイム・ワーナーは17.1%の大幅高。法人向け携帯端末事業で提携を発表したアップルは0.6%下落、IBMは2.1%上昇。決算が良かったインテルは9.3%上昇。17日朝方の為替レートはドル円が101円台後半、ユーロ円が137円台半ばで、円高が少し進行していた。

 CME先物清算値は15440円。日経平均は43.57円高の15422.87円で始まる。TOPIXもプラス。主力銘柄が偏りなく買われる状況で午前9時18分に15465円まで上昇し、その後はおおむね15430~15450円で静かな値動き。上海、香港市場がマイナスで始まり、為替も少し円高方向に振れたので日経平均は11時前から徐々に値を切り下げていき、前引けは30円高ながら15409円で前場安値引けになった。

 後場はさらに安値を更新して始まり15400円を割り込む。午後0時39分に瞬間マイナスにタッチ。悪役は前場のプラスから一転、ズルズルとマイナス圏の深みにはまっていったソフトバンク<9984>だった。それでもしばらくプラスを維持していたが、午後1時30分を回るとこの時を待っていたかのようにマイナスまで急落。TOPIXもほぼ同時にプラスからマイナスに落ちる。先物主導で為替も対ユーロで円高が進行していた。2時9分に15347円まで下げた後、2時台は日経平均は1ケタ安水準、TOPIXも前日終値近辺まで戻るがプラスには浮上できない。そんな状況が大引けまで続き、終値は9.04円安の15370.26円で小幅続落した。後場の急落は日米の4~6月期決算発表本格化直前の様子見だけでは説明できないはず。日中値幅は118円。TOPIXも-0.21の1273.38と「惜敗」した。後場は商いが中・小型株に偏って売買高は22億株、売買代金は1兆7410億円だった。

 値上がり銘柄は772、値下がり銘柄は903で全体の49%を占めた。プラスは15業種、マイナスは18業種。上昇セクター上位は鉱業、建設、陸運、倉庫、石油・石炭、保険など。下落セクター下位は証券、海運、パルプ・紙、鉄鋼、不動産、輸送用機器などだった。

 日経平均採用225種は値上がり105銘柄、値下がり105銘柄と全く同数。プラス寄与度1位はTDK<6762>、2位はダイキン<6367>でともに+2円。マイナス寄与度1位は後場の悪役ソフトバンクで-8円、2位はファナック<6954>で-5円だった。

 メガバンクはみずほ<8411>値動きなし、三菱UFJ<8306>1円安、三井住友FG<8316>は後場崩れ27円安。野村HD<8604>は7円安。証券セクターは業種別騰落率最下位だった。自動車大手は後場の円高進行に崩され、トヨタ<7203>は5円高と踏ん張ったがホンダ<7267>は20円安。日産<7201>はカルロス・ゴーン社長が講演し、2016年までに混雑する高速道路限定で自動運転可能な技術を導入すると述べたが6円安。富士重工<7270>は北米で人気が衰えず4~6月期の営業利益が15%増の800億円前後という業績観測記事が出たが2円安。マツダ<7261>はディーゼル車「デミオ」を最安170万円で発売するニュースがあったが2円安。1リットル170円台に届こうかというガソリンの高騰で、燃料費が安くなるディーゼル車はアドバンテージがある。

 電機大手はシャープ<6753>はメリルリンチがレーティングを引き上げ売買高8位に入り5円高。売買高10位、売買代金11位に入りながら11円安の東芝<6502>は、サンディスクの4~6月期決算が市場予測を下回り時間外で急落して連れ安した。NEC<6701>はゴールドマンサックスが目標株価を引き上げ売買高6位、売買代金10位に入り、10円高で年初来高値を更新した。

 大引け後に決算発表を控えた安川電機<6506>は29円高と買われた。セイコーHD<8050>は4~6月期の営業利益が5%増という業績観測で14円高。宮越HD<6620>はストップ高比例配分の80円高で値上がり率2位と旺盛な買いが続く。大日本スクリーン製造<7735>は主要取引先の台湾TSMC社の決算発表後の大幅安に連れ安し26円安で値下がり率12位。東京エレクトロン<8035>も21円安と悪く半導体製造関連銘柄はブレーキになった。古野電気<6814>は62円高で値上がり率8位に入り年初来高値更新。住友電工<5802>は今期経常利益見通しを30億円下方修正。純利益見通しは住友スリーエム株の売却で特別利益440億円を計上して上方修正し、17円高だった。