スマートフォンや携帯電話に搭載されるカメラ機能の充実や、ミラーレス一眼カメラの台頭、デジタル一眼レフカメラの市場拡大などにより、需要が伸び悩んでいるコンパクトデジタルカメラ。しかしここにきてメーカー各社が相次いで新製品を発表し、市場の維持拡大を図っているようである。
キャノンは、個人認証機能を備えた全自動撮影機能「こだわりオート」を搭載し、静止画や動画のワイヤレス通信機能(Wi-Fi対応)を進化させた「IXY 430F」など、IXY・PowerShotシリーズの新製品3機種を8月2日から発売すると発表。判別する撮影パターンは最大205種類にもおよび、あらゆるシーンを自動で美しく撮影することが可能だという。
また富士フイルムは4機種の発売を発表。高画質な撮影画像をスマートフォンに30枚まで一括送信できる、タッチパネル採用の「FinePix Z1100EXR」、薄型軽量ボディに1600万画素CCD・広角25mm~200mmのフジノン光学式8倍ズームレンズと、明るい3.0型大型液晶モニターを搭載した「FinePix JZ250」、広角25mmからのフジノン光学式20倍ズームレンズと1600万画素の「EXR CMOS センサー」を搭載した「FinePix F800EXR」、1400万画素のCCDと、広角24mmから超望遠720mmまでをカバーする高精細フジノン光学式30倍ズームレンズを搭載した「FinePix SL300」を、いずれも8月11日から発売する。
さらにパナソニックも光学10倍ズームレンズ(超解像iAズーム20倍)とWi-Fiを搭載したスリムズームカメラ「LUMIX DMC-SZ5」や、高画質・高品質を追求したハイエンドコンパクトデジタルカメラ「LUMIX DMC-LX7」、600mmで明るさF2.8を実現した25-600mm(光学24倍)全域F2.8 LEICA DC VARIO-ELMARITレンズを搭載した「LUMIX DMC-FZ200」の発売を発表。ソニーも 、光学10倍ズームレンズと約92.1万ドットの高精細3.0型ワイドタッチパネルを約119gの小型軽量ボディに搭載したサイバーショット「DSC-WX170」を発売する。
いずれの製品も高画質・小型軽量を特徴としているが、傾向としてはスマートフォンとの連携に生き残りをかけているようである。撮影したものをスマートフォンに転送できるだけでなく、スマートフォンからカメラを操作できる機種も登場しており、今後は標準搭載の機能となってくるのではないだろうか。ミラーレス一眼やデジタル一眼レフの勢いにどこまで対抗して市場を維持拡大することができるのか。メーカー各社の今後の施策に注目が集まるところであろう。