先日、発覚した「ベネッセ個人情報流出事件」は漏えい情報が最大2070万件と言われる大規模なもので、社会に衝撃を与えた。犯人の派遣社員のSEは顧客情報を販売することで利益を得ていた。また、これ以外にも会社の機密情報や顧客情報へアクセスできる特権IDを悪用した事件が増えている。このため、金融や大手製造業など厳格なシステム運用を求める企業では、サーバへのアクセスログに加えてユーザ操作もすべて記録したいという要望が増えてきたという。しかし、操作記録を取得するソフトウェアは高価な製品が多く、用途と対象端末を限定されることが多かったという。
NTTソフトウェア株式会社は24日、特権ID管理ソリューション「iDoperation(アイディーオペレーション)」の新ラインナップとして、サーバやデスクトップ内のユーザ操作を動画で記録し証跡として残す、PC操作記録ソフトウェア「iDoperation SC」を販売開始したと発表した。
同社は、12年から内部統制対策ソリューションとして、特権ID管理ソリューション「iDoperation」を販売してきた。特権ID管理に欠かせない4つの要素「申請承認」「ID管理」「アクセス制御」「ログ管理」で構成されており、効率的な特権ID管理を実現できるソリューションだ。
新製品は、特権ID管理対策としての利用はもちろん、同製品のみの導入でも情報漏えいにつながる不正操作の抑止や、セキュリティモラル向上という幅広いニーズにも対応できる。企業内のサーバやデスクトップの中に設置する「防犯カメラ」をコンセプトとして、ユーザ操作をすべて動画で記録し、証跡として残す。このため、オペレーションミスや不正操作が起こった場合も、操作内容を動画で簡単に確認できる。また、管理サーバレスで導入することができ、安価に導入できる。
その機能は、記録した動画は、日付、ホスト名、ログオンユーザ名で一覧表示され、ブラウザから再生。同製品は、記録時にユーザ操作をメタ情報として記録するため、操作がない時間帯をスキップしてユーザ操作のみに絞って再生することができる。コマ送り再生にも対応している。
また、リモートデスクトップの、マルチユーザセッションに対応。Windowsサーバに対する複数ユーザによる同時接続も、個別に記録できる。高度な画像圧縮技術を採用しており高画質・低容量での動画記録ができる。低画質での記録(約15MB/時間)から、小さな文字もしっかりと識別できる高画質(約35MB/時間)での記録に対応している。
さらに、新製品はスタンドアロン型(管理サーバレス)とサーバ型に対応。スタンドアロン型で利用する場合、管理サーバの導入が不要なため、記録対象のPCやWindowsサーバに本製品をインストールするだけで手軽に導入できる。
価格は、スタントアロン型のPC用が3万2000円(税抜き)、サーバ用が3万6000円(税抜き)。サーバ型の録画エージェントライセンスのPC用が2万8000円(税抜き)、サーバ用が3万2000円(税抜き)。保有サーバライセンスが80万円(税抜き)。(編集担当:慶尾六郎)