オリコン・リサーチによると、１４年上半期の書籍市場は５２２９億円で、前年同期比９９．２％となった。調査期間は１３年１２月３０日～１４年６月２９日。消費増税が行われた４月以降は増税分が売上に上乗せされているため、市場規模が大きく算出される可能性もある。そこで今期の「実売部数」をみると、１４年上期の書籍総売上部数は５億９４２３万部と、前年同期比９７．８％となった。増税後に本を買わない人が増えた可能性もあるが、売上が減少した要因は「小売りの低迷期」である２月の売上が、例年より思わしくなかったため。４月以降は前年並みを維持している。『ＯＮＥ ＰＩＥＣＥ』『進撃の巨人』などの影響もあり、コミックを中心に書籍市場は回復しつつある。
部門別にみると、ブック部門の１４年上期の売上部数は２億５３３５万部で、前年同期比９４．１％と低迷。売れ筋作品は上半期ランキングでトップだった『人生はニャンとかなる！明日に幸福をまねく６８の方法』（文響社）に代表される自己啓発書や、『長生きしたけりゃふくらはぎをもみなさい』（アスコム）などの健康関連、本屋大賞受賞作品やゲーム攻略本が中心だった。また『学年ビリのギャルが１年で偏差値を４０上げて慶應大学に現役合格した話』(ＫＡＤＯＫＡＷＡ）や、大ヒット中の『アナと雪の女王』の絵本なども売上に貢献したようだ。
より好調なのはコミック関連。売上部数は２億４８３８万部と前年同期比１０３．２％で、前年実績を上回った。『ＯＮＥ ＰＩＥＣＥ』（集英社）と『進撃の巨人』（講談社）の ２大ヒット作品に加えて、今期からテレビアニメの放映が始まった『ハイキュー』（集英社）の売上が急伸している。
形態・ジャンル別では、「その他」に該当する宝島社のＤＶＤブック『ＴＲＦイージー・ドゥ・ダンササイズ』が７億円を売り上げるヒットとなった。グッズ付き書籍など「その他」ジャンルの売上は９６億円で、前年同期比１１９．２％と最も高い伸びを示している。（編集担当：北条かや）
