日本共産党の井上哲士参院国対委員長が「今も昔も金権政治は変わっていない」と企業や団体と政治が癒着する土壌になる献金の在り方に強く警鐘を鳴らしている。現職政治家が政策を金で買うものだ、献金大きい組織に引っ張られ過ぎなど献金による政策への影響をうかがわせている。
井上参院国対委員長は今年6月の参院決算委員会でも「トヨタが5年間1円も法人税を払っていなかったのに、自民党には毎年5140万円の政治献金をしていた」と指摘。この時の自身の活動日誌には「トヨタの法人税ゼロには委員会室でも驚きの声があがりましたが、そのトヨタが毎年自民党に5140万円の政治献金をしていることを指摘するとさらに驚きの声が」と綴っている。この時の委員会では「庶民には増税し、なぜ法人税減税か」と消費税と法人税の問題を取り上げていた。
最近の活動日誌で「金権政治は変わっていない」としたもので、7月29日の綴りでは「朝日新聞で『歴代総理に年2千万円献金』と証言した内藤・元関電副社長が報道ステーションでも生々しく証言した。朝日は中部電力による政治家への献金についてもこの間、報道している」とし、自身の6月の決算委員会での発言をとりあげ「私はトヨタが法人税を払わないときも自民党には政治献金をしていたことや、経団連新会長が献金あっせん再開検討を表明した翌日に自民税調が法人税引下げを認めたことなどを指摘し『政策を金で買うもの』と批判しました」と綴った。
政治と金の問題では民主党の長妻昭・元厚生労働大臣も「日本では大きな献金ができる資金力のある組織に政治が引っ張られすぎている」と憂慮。「1000兆円に及ぶ国の借金の要因の一つである公共事業は公共事業関連企業・団体の後押しで毎年巨額の予算を積み上げてきた。原発の安全神話も巨額の電力マネーが下支えしたことは否めない」と問題視している。
長妻氏は「予算や法律をゆがめないため、あるいはそう疑われないため、パーティー券の購入を含む企業・団体献金の禁止の必要性を強く感じている」として「容易に実現できない課題だが、粘り強く取り組む」としている。(編集担当:森高龍二)