経団連の政治的影響力をどう受け止めるべきか

2014年06月22日 21:46

 榊原定征氏が6月3日に経団連会長に就任した。経団連。正式名称は、一般社団法人日本経済団体連合会。日本の東証一部上場の企業を中心とした日本を代表する大企業が加盟する団体である。会員は1300社。比較的製造業のトップが会長になることが多い。約50の委員会において課題を検討し、政策提言としてまとめるなどの活動を主に行っている。政策提言としては成長戦略などが有名である。

 新たな会長は政治との関わり方を検討し、今年度中に結論を出すことを表明した。それには、献金のあり方、政策評価のあり方も含まれる模様だ。2004年以降、政策提言が各党の政策にどの程度反映されているかを数値評価し、献金額の決定の目安としてきた。しかし、民主党政権時に停止し、それ以来、献金に対しては組織的活動をしていない。

 経団連は政策評価についても熱心に活動している。経団連のウェブを見ると「経団連の政策提言が、どの程度実現し、何が課題として残されているのかを検証することは重要である」との認識を示していることからもその熱意はうかがえる。選挙前には、政党ごとに100点満点で評価したり、政権公約検証フォーラムなどを開催したりするなど、マニフェスト・選挙公約を評価する活動を行っていた。しかし、自民党政権の誕生によって政策評価は復活したものの、採点はせずに文章による評価になった。

 自分たちの影響力を行使しよう、最大化しようとするのは組織にとっての当然の行動だ。基準を示し、政策評価結果を公開し、政策提言という活動をする。政治献金についても一定の制約がされている。しかし、経団連は批判されることも多い。ルールのもとで政治影響力を行使しているわけで、単なるイメージや想像で批判するのはフェアではない。基準に基づく政策評価結果を公開せず、政策提言の内容を公開していない組織・団体がまだまだ日本には数多く存在することを忘れてはならないのではないか。(編集担当:久保田雄城)