日本の学校教育が脱・ゆとり教育へと方向転換してしばらくたつが、増えつつある授業数を消化するためなどに、土曜日授業が復活しつつある傾向が明らかになった。文部科学省の調査によれば、公立学校における土曜日授業は2年前と比較して、小中学校ではほぼ倍増し、2割の学校で土曜日授業を実施していた。
土曜日授業を実施しているのは小学校でもっとも多く3565校。中学校では1794校、高等学校ではこれより少なく214校に留まった。
2012年度との比較で見ると、土曜日授業を実施予定の学校は、公立小中高のいずれにおいても増加していた。
公立小学校における土曜日授業は、12年度の8.8%から14年度(予定)には17.1%とほぼ倍増した。中学校でも9.9%から18.3%、高校では3.8%から5.9%と増加していた。実施予定回数の内訳は、小中学校では年3回以下(学期に1回程度)が半数を占め、年に4~10回(月1回程度)が4割を占めた。
高等学校では年18回以上が3割と最も多く、小中学校と比べて土曜日授業を実施している学校数は少ないものの、実施しているところでは頻繁に授業を行っていることがわかる。
土曜日に授業を行う学校が増えている反面、土曜日に行う課外授業は小・中・高のいずれにおいても減少傾向意にあった。
学校が場所を提供して、土曜学習の実施を予定しているのは、公立小学校で23.9%、中学校で8.6%、高等学校で21.3%であり、小学校と高等学校では4分の1以上が実施を予定していた。
調査結果から、「土曜日授業」「土曜日の課外授業」「学校が場所を提供しての土曜学習」のいずれかを実施している割合は、小学校で38.3%、中学校で27.4%、高等学校では56.8%と半数以上に上るなど、土曜日の教育活動が活発に行われている状況がわかった。
豊かな教育環境を目指して文部科学省が進める土曜日授業。自治体などのアンケート調査によれば、保護者は賛成が多いものの、教職員からは反対の声も根強いようだ。土曜日授業によって子供の学力が向上すれば何よりだが、一方で現場職員の負担が増加すれば、それは子供へのデメリットとして跳ね返る。制度の成功には、教育ボランティアなどの活用が欠かせないだろう。(編集担当:横井楓)