4月に実施された消費税の増税、また経済の先行きが不安定なことも影響してか、今、税金の安い軽自動車の普及率が上昇している。22日に全国軽自動車協会連合会(全軽自協)が行った発表によれば、軽自動車の普及台数(100世帯あたり)の全国平均が、2013年12月末の時点で13年3月末に行われた前回の調査よりも、1.1台増えて52.9台となり、過去最高を更新したことがわかった。
税金が安いことが影響して、地方などを中心に軽自動車の人気が高まっているという。都道府県別に見てみると、佐賀県が102.2台で2年連続の首位。2位は鳥取県で101.8台であり、佐賀県、鳥取県ともに1世帯あたり1台以上となった。3.位は長野県で99.97台という結果であった。その一方、普及台数が最も低かったのは東京都で、11.5台という結果であった。そのあと、神奈川県、大阪府が続いた。
全国軽自動車協会連合会はこれまで調査を毎年3月末の時点で行ってきていたが、ベースとなる総務省の世帯数集計の変更に合わせて、14年から前の年の12月末の時点で調査を行うようにした。
また13年の軽自動車の新車販売台数は約211万台であり、過去最高を記録した。そしてこの数字は国内の新車販売の約4割を占めている。
ここのところ軽自動車はずっと好調さを保ち続けてきていたものの、一時期と比較するとその勢いに陰りが見え始めてきたのではないかといわれていて、8月の初めに日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会がそれぞれ発表した、7月の車名別新車販売台数によれば、トップ10の多くをハイブリッド車(HV)などの登録車が占めることとなった。消費税増税前の駆け込み需要による受注残が消化されたこともあって、7月の軽自動車の新車販売はあまり振るわなかった。
しかし地方ではまだまだそうした勢いは健在とみられ、今回の発表によれば普及台数は過去最高を更新。若者の車離れが問題視されるなか、軽自動車は業界全体を救う存在となるのかどうか、今後の動向に注目したい。(編集担当:滝川幸平)