消費増税の影響は微少、2014年上半期自動車販売。軽自動車の圧倒的な需要が際立つ

2014年07月12日 10:11

Daihatsu_Tanto

ダイハツ・タントが、2014年上半期販売台数13万5688台を記録して登録車を含めた新車販売台数でもトップを獲得した。センターピラーの無いミラクルオープンドアが若い主婦層に支持されている。

 日本自動車販売協会連合会(自販連)および全国軽自動車協会連合会(全軽自協)による2014年1月から6月までの上半期自動車販売速報値が発表された。

 結果、ダイハツが販売する軽乗用車タントが、2014年上半期販売台数13万5688台を記録して軽自動車ナンバーワンとなり、加えて登録車を含めた日本国内新車販売台数でもトップを獲得した。つまり、親会社トヨタの常勝軍団であるハイブリッド車「アクア&プリウス連合」をあっさりと抜き去ったということである。

 ダイハツ・タントは2003年の初代発売以来、累計で145万台を超える販売台数を記録、同時に月間販売台数平均1万台以上を記録している。ダイハツ車の年間上半期における登録車を含めた新車販売台数トップ獲得は初めてだ。

 2014年上半期の自動車販売(乗用車)は、第Ⅰ四半期で4月の消費増税を前に駆け込み需要が増大。1月から3月期、登録車(乗用車)が98万1421台(前年比117.1%)、軽自動車(乗用車)が61万4971台(同128.7%)と大きく伸ばし、4月以降の反動による販売減が懸念されていた。

 しかし、いざ蓋を開けてみると4月から6月期の登録乗用車販売は、4月に16万5486台(88.2%)とやや落ち込んだものの、5月は17万8653台(93.1%)、6月には22万9037台(98.2%)と早くも回復傾向を示している。さらに軽自動車販売を見ると、4月に12万7340台(105.4%)、5月は12万5718台(107.9%)、6月も15万0205台(103.2%)と、落ち込むどころか軽々と前年実績をクリアしている。

 好調な軽自動車販売だが、上半期でダイハツ・タントだけが10万台超の販売を記録し、2位の日産デイズは9万8789台(806.7%)、3位ホンダN BOXの9万6487台(81.6%)と続く。以下、スズキ・ワゴンR、ホンダN-WGN、ダイハツ・ムーブと軽自動車販売6位まで、いわゆるトール系ワゴンが占める。昨年までのダイハツvsホンダの軽自動車競争に、伏兵の日産が割って入ってきた恰好だ。かつての軽自動車トップメーカー、スズキはやや精細を欠く。

 一方、やや駆け込み需要の反動を受けた恰好の登録車のトップは、相変わらず世界で最も小さなハイブリッド車(HV)、トヨタ・アクアで12万3673台(93.4%)、次いでホンダ・フィットの12万1764台(168.7%)、3位にHVのトヨタ・プリウスの10万3974台(78.5%)と、ここまでが10万台超となり、フィットを含めたHV勢の強さが続いている。以下の車種を見ても、カローラ(6万4311台)、ノート(5万9721台)、ヴォクシー(5万3510台)、ヴィッツ(4万8448台)、セレナ(4万4473台)、ノア(3万4813台)とトップ10に入ったモデルは、ノートとヴィッツを除いてHVをラインアップしている車種だ。つまり、国内乗用車市場ではHVか軽自動車とコンパクトカー、そして比較的安価なミニバンしか売れないという構図が鮮明となった。

 1月から6月までの上半期でもう少しだけ特徴を記すと、登録車ベスト30に入った純粋な国産セダンはトヨタ・クラウン(15位/2万6964台)、SUVではマツダCX-5を凌駕したトヨタ・ハリアーをいとも簡単に抜き去ったホンダ・ヴェゼル(8位/4万6679台)、6年間ミニバンのトップだった日産セレナは9位(4万4473台)に後退、代わってミニバントップにトヨタ・ヴォクシー(6位/5万3510台)となった。

 総合ナンバーワンをタントで獲得したダイハツによれば、昨年10月にフルモデルチェンジした2代目新型タントは、軽自動車唯一の助手席側にセンターピラーの無いミラクルオープンドアを先代から継承。使い勝手の良さをこれまで以上に追求し、軽自動車トップレベルの室内空間と開放感を得た。加えて、JC08モード28km/リッターの低燃費、必要十分な基本性能と安全装備が幅広い顧客に評価された結果だとしている。(編集担当:吉田恒)