ルネサス、8月に実施した早期退職者数を発表

2014年08月30日 12:12

 経営再建に向けて様々な取り組みを行い続けているルネサスエレクトロニクス<6723>ではあるが、その一環として7月に公表され、8月に実施された早期退職優遇制度に対する応募者の数が、361人であったことを発表した。

 27日、ルネサスエレクトロニクスは7月9日に公表していた、設計・開発部門の組織再編に伴う早期退職優遇制度への応募者の数が361人であったと発表。募集は8月7~21日にかけて行われ、対象者は3子会社約800人であった。退職日は9月30日としている。今回応募した早期退職者に対しては退職金に特別加算金を支給し、また希望者に対しては再就職の支援サービスを行うとしている。ルネサスエレクトロニクスは今年の3月にも、生産部門での早期退職優遇制度を実施しており、その時には696人の応募者があった。

 今回の早期退職優遇制度は、ルネサスエレクトロニクスの設計・開発部門の国内関係会社5900人を8月1日付で再編したことに伴い実施されたもので、転勤が困難な人など800人を対象に行われた。この人員削減により年間で約39億円の費用削減効果が生まれるという。しかし9月30日付で退職する応募者には、通常の退職金に加えて特別加算金が支給されるため、14年7~9月期には21億円の特別損失を計上する。ただし、すでに公表されている4~9月期の連結業績予測には、この金額はおり込まれている。
 
 ルネサスエレクトロニクスは今回実施した早期退職優遇制度を公表した際、800人程度の応募者を想定していたが、実際の応募者はそれを大きく下回る361人であった。

 ルネサスエレクトロニクスは経営再建に向けて、これまでにも工場の統廃合や人件費の削減などに取り組んできた。その結果、すでに1万人以上が早期退職している。

 今回の早期退職優遇制度の実施により年間約39億円の人件費の削減が実現するものの、そうして人員を削減したことにより、これまで行われてきていた業務に支障をきたさないかどうか懸念する向きもあり、いずれにせよ、ルネサスエレクトロニクスが再建へと至る道行きは、まだまだ長く険しそうだ。(編集担当:滝川幸平)