デンソー、中国の自動車部品製造会社に資本参加

2014年08月30日 13:14

 東南アジア地域に熱い視線が注がれ、ひと頃と比べると中国に対する国内企業の注目度は低くなったかのように思われがちだが、まだまだ日本の企業にとって中国はなくてはならないビジネスシーンである。中国企業との密な関係をなくしては、日本の企業の大きな発展は望めないだろう。そうしたなか、自動車部品メーカーであるデンソー<6902>が中国企業に資本参加するとの発表を行った。

 27日、自動車部品メーカーの大手デンソーが、中国の自動車用市販コンプレッサーを製造する「合肥達因汽車空調」に資本参加するとの発表を行った。今回の資本参加に伴う出資比率は34%で、自動車の保有台数の増加に伴い、世界的に高まりをみせているコンプレッサー需要を取り込み、業績拡大を図りたい考えだ。また、出資金額は数億円とみられている。
 
 「合肥達因汽車空調」は中国以外にも、北アメリカ、ヨーロッパ、中南米、アジア地域など多くの販路を持つ自動車部品メーカーで、その品質の高さと充実した品ぞろえには定評がある。そしてデンソーはこれまで、自動車メーカーに部品を直接納入するサプライヤーとして世界各国にて事業展開を行ってきていたが、今回の資本参加により、市販のコンプレッサーの品ぞろえを充実させるとともに、市販のカーエアコン事業も強化していきたいとしている。

 またデンソーは今回の資本参加の発表に際して、「今回の出資により、達因社において、デンソー市販用コンプレッサーを生産して、グローバルネットワークを通じて販売します。また、継続的な技術サポートを達因社に提供し、市販コンプレッサーとしてトップレベルの品質実現に取り組んでいきます」とのコメントを発表している。

 「合肥達因汽車空調」の資本金は約4億8000万円で、2013年の売上高は約26億円である。デンソーの市販コンプレッサー事業は、これまでメーカーへの直接納入をメインに行ってきていたが、今後は修理店での交換用コンプレッサーの販売にも力を注ぎ、カーエアコン事業の収益拡大を図るとしている。(編集担当:滝川幸平)