デンソーが約54億円投資しメキシコでの事業を拡大 トランスミッション用部品の製造ラインを新設

2014年07月03日 08:48

 デンソー<6902>は1日、北米における自動車生産の拡大に対応するため、メキシコの生産拠点、デンソー・メキシコ社(DNMX)のアポダカ工場を拡張すると発表した。また、デンソーのグループ会社である浜名湖電装株式会社は、2014年4月1日にメキシコに自動車用エンジン関係部品を生産する新会社ハマデン・メキシコ社(HAMADEN MEXICO S.A. DE C.V.:HDMX)を設立した。

 DNMXの工場拡張に伴う投資額は5380万USドル(約53億8000万円)で、8200m2工場を拡張し、建物の総面積は5万8700m2となる。今回の拡張により、トランスミッション用部品の製造ラインを新設し、2015年12月から生産開始する予定。同工場の従業員数も2014年3月末時点の3762人から2018年度には約4300人に増員する計画だ。

 DNMXの本社工場であるアポダカ工場は、1996年からメーター、空調制御パネル、可変カムタイミング(VCT)システムを生産している。DNMXはアポダカ工場以外に、ヌエボ・レオン州グアダルーペ市、グアナファト州シラオ市に工場があり、センサー類、カーエアコン、ラジエーターなどを生産している。設立は1994年9月、出資比率はデンソー・インターナショナル・アメリカ95%、住友商事5%。総従業員数は2014年3月末で4985人。
 
 また、HDMXの投資額は3580万ドル(約35億8000万円)で、2018年度までには約340人を採用する予定だ。2015年1月から工場建設に着工し、同年8月に完成予定。2016年8月頃からエンジン制御用や空気流量を制御するためのソレノイドなどの生産を順次開始し、北米はじめ南米に供給していくという。浜名湖電装の海外拠点は、インドネシア、ベトナムに次いで3社目になる。従業員は2018年には約340人に増員する。

 デンソーグループは、中長期計画「「デンソーグループ 2020年長期方針」では2025年の世界人口は80億人に達するとみており、これにともない自動車市場も現在よりもさらに拡大、インフラの一部となると予測している。このため海外戦略を積極的に展開している。今回も北米事業拡大に欠かせない重要な成長市場であるメキシコでの事業拡大を推進する。(編集担当:慶尾六郎)