世界41カ国の企業のうち、創業200年以上続いているのは5,586社。このうち3,146社が日本企業で、断トツの1位だ。2位はドイツだが、その数は日本の約4分の1程度にあたる837社となっており大きな開きが生じている。
予信管理サービスやビジネスポータルサイトを手掛けるリスクモンスター<3768>が「100年後も生き残ると思う日本企業」についてアンケート調査を実施したところ、トヨタ自動車<7203>が回答率45.9%で1位に選ばれた。2位は本田技研工業(ホンダ)<7267>で22.7%、3位は日産自動車<7201>18.0%、4位はパナソニック<6752>15.3%となり、自動車産業が上位を独占する結果となった。調査はインターネット上で今年3月25日、20~59歳の有職者男女と、60~69歳の男女を対象にして行われ、有効回収数1,000件の回答をもとに集計された。調査対象となった企業については、年間売上2,500億円以上で、かつ従業員数5,000人以上とし、200社を抽出して行われた。
現在日本には約260万もの企業が存在するが、そのうち100年以上の業歴を維持するのは約33,000社である。世界の国々を比較しても、日本は長寿企業の多い国だ。2008年に韓国銀行が発表した「日本企業の長寿要因および示唆点」の中で、世界最古の企業についての報告が記載されており、上位はほとんど日本が占めている。1位は578年に百済から渡来した金剛重光(柳重光)が創設したという「金剛組」、2位は705年創業の「甲州西山温泉慶雲館」、3位は717年創業の「千年の湯古まん」となっている。
世界41カ国の企業のうち、創業200年以上続いているのは5,586社で、このうち3,146社が日本である。次に多いのがドイツだが、その数は日本の約4分の1程度にあたる837社となっており大きな開きが生じている。
一方、韓国の企業は200年を超えるものがなく、また歴史の長い中国では、1949年に毛沢東を主席とする中国共産党が企業の国営化を図ったことにより、正確に企業の寿命を割り出すことができなくなった。ヨーロッパ諸国においても、過去に起きた植民地化や内戦、大戦の影響などで産業が壊滅状態に陥った国は多い。日本においても、地上戦を避けることができなかった沖縄では長寿企業が少なくなっている。
しかし、なぜ日本だけがこうも企業寿命が長いのか。その理由として考えられるのが、社員を家族のように大切に扱う独特の企業精神だ。また、利益追求に並んで相互扶助も重んじ、潰し合いよりも共存をという商道徳観念が強いということも関係しているだろう。近代に入り飛躍的に成長した自動車産業だが、世界が認める日本の技術をさらに発展させながら、日本古来の企業精神を次世代に引き継いでいきたいものだ。(編集担当:久保田雄城)