26日のNYダウは取引時間中の史上最高値を更新し、終値は29ドル高と続伸して17100ドル台に乗せた。NASDAQは13ポイント上昇。S&P500は初の2000の大台乗せ。耐久財受注の伸びは過去最大で、CB消費者信頼感指数は7年ぶりの高水準と経済指標は好調。ウクライナとロシアのミンスク首脳会談は平行線に終わったが、パレスチナでイスラエルとハマスが長期停戦に合意というニュースが入り地政学的リスクが低下。ベストバイは決算が悪く6.9%下落した。27日朝方の為替レートはドル円が104円台前半、ユーロ円が137円台前半で、ユーロが少し安かった。
前日発表の8月の月例経済報告では、景気の現状は「緩やかな回復基調が続き消費税率の引き上げに伴う駆け込み需要の反動も和らぎつつある」と判断を据え置き。企業収益は上場企業の4~6月期の業績が伸び悩んだことを受けて「改善に足踏みがみられる」と判断を引き下げたが、個人消費は「一部に弱さが残るものの持ち直しの動きがみられる」と判断を据え置いた。
CME先物清算値は15545円。この日は8月期決算銘柄の通期と2月期決算銘柄の中間期の配当権利落ち日で、日経平均を約9円押し下げると試算されていたが、日経平均は35.34円高の15556.56円と反発スタート。TOPIXもプラス。序盤は15560円、15570円をあっさり突破して午前9時9分に15588円まで上昇する。TOPIXも1290台に乗せた。しかし9時台後半からはズルズル下げる一方。10時12分に15521円まで下げて前日終値ギリギリで持ち直す。TOPIXもプラスを維持した。上海も香港も反発でスタートし10時台はマイナスに落ちそうで落ちなかったが、11時を回るとTOPIXとともにマイナスに落ち11時8分に15507円まで下げる。その間も為替のドル円は104円台を維持していた。前引けはプラスに戻して15525円で、TOPIXは前日終値とピタリと一致した。
昼休みにドル円が104円を割り込んだため15500円を割り込み安値を更新してマイナスで再開。午後0時49分に15465円で下げ止まる。1時台は15480~15500円のレンジで動いたが、ドル円が104円台を回復して2時を回ると日経平均はプラスに浮上。2時台はプラス圏小幅高の15520~15540円でそのまま大引け。終値は13.60円高の15534.82円と反発した。為替の変動に振らされて日中値幅は123円で3ケタに乗せた。TOPIXも+0.91の1285.92とプラス。小型株が盛んに物色されたので売買高は20億株の大台に乗せたが、売買代金は1兆6235億円。これで2兆円台には13営業日、届いていない。
値上がり銘柄は946で全体の52%を占め、値下がり銘柄は697。17銘柄が上昇、16銘柄が下落。プラスセクター上位は医薬品、海運、証券、鉱業、保険、建設など。マイナスセクター下位は小売、陸運、その他製品、不動産、サービス、ゴム製品などだった。
日経平均採用225種は値上がり124銘柄、値下がり88銘柄。プラス寄与度1位はソフトバンク<9984>で+6円、2位はダイキン工業<6367>で+4円。期末の配当権利落ち日でも65円高で踏ん張ったファーストリテイリング<9983>は+2円で4位。マイナス寄与度1位はセブン&アイHD<3382>で-3円、2位はデンソー<6902>で-2円。
住宅ローン金利が史上最低金利。メガバンクは三菱UFJ<8306>は1.1円高だったが三井住友FG<8316>は8.5円安、みずほ<8411>は0.4円安だった。証券セクターは業種別騰落率3位で野村HD<8604>は5.8円高、大和証券G<8601>は10.6円高。松井証券<8628>は未定だった中間配当予想を20円と発表し前期の30円から10円減配したが1円高で終えた。
中国がガラにもなく独占禁止法のバットを振り回し始めたと思ったら、今度はインド。日本の公正取引委員会に相当するインド競争委員会(CCI)が国内外の自動車メーカー14社に、交換・補修部品で公正な競争を妨げる違反行為があったと約430億円の課徴金を科すと公表した。GMやフォルクスワーゲンも入り、日本勢はスズキ<7269>子会社のマルチ・スズキ、ホンダ<7267>、トヨタ<7203>、日産<7201>の4社。モディ首相の来日前にとんだ手土産だが、インドは英国の植民地だった事情もあり、「変なところがヨーロッパ的」と言われるように「契約社会」「法の支配」が曲がりなりにも確立している点が中国とは大きく異なる。異議申し立てに政治が恣意的に介入しないフェアな法的スキームが整備されているためか、スズキは51円高、ホンダは4円安、トヨタは11円安、日産は0.5円高と影響は限定的だった。
三菱自動車<7211>は14円高。マツダ<7261>は3円安。デンソーは70.5円安だったが、曙ブレーキ工業<7238>は借入金の減少で2016年3月期の自己資本比率が30%を超える見通しを発表し、財務体質強化を好感されて12円高で終えていた。
前日に連騰が11でストップしたソニー<6758>は0.5円高と小反発。パナソニック<6752>は12円高、NEC<6701>は3円安。日立<6501>は前日、アマゾンドットコムとの間で本格提携を含むクラウド事業の新戦略を発表して5.1円高。アマゾンは世界有数のクラウド提供企業でもある。日本電産<6594>は72円高。パイオニア<6773>は2円高で年初来高値を更新し、JVCケンウッド<6632>は売買高16位で2円高。3Dプリンター関連のローランドDG<6789>は55円高と買われていた。
東京電力<9501>は、10月からヤマダ電機<9831>の関西と中部の62店舗に電力を供給すると報じられ1円安。ヤマダ電機は6円高。東京電力が首都圏以外で電力を販売するのは初。料金は地元の電力会社より数%安いという。関西電力<9503>は1.4円安、中部電力<9502>は1.5円安だった。